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2023年12月から2024年2月まで行われた「Performance Residence in Museum 2023-24」。世田谷美術館とNPO法人アートネットワーク・ジャパンによる、身体表現やパフォーマンス表現を行う若手アーティストを対象としたアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムです。2回目の開催となった2023年度は、演劇家の藤原佳奈さんが15日間に渡り世田谷美術館に滞在しました。滞在中の様子は、本プログラムの特設サイト(note)にて、「滞在日誌」として公開中です。本プログラムのコーディネーターをつとめた武田侑子(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)が写真とともに詳細にリポートしていますので、ぜひご覧ください。今回のブログでは、滞在初日から最終日までをダイジェストでご紹介します。藤原さんは滞在するにあたって「世田谷美術館を戯曲だと捉え、それをいま、上演するとしたら?」というテーマをかかげました。滞在期間は前半(2023年12月)と後半(2024年1月〜2月)に分けられます。前半では主に、世田谷美術館の建築や活動のリサーチに取り組みました。最初の2日間(2023年12月20-21日)は、世田谷区立の小学校4年生を対象とした「美術鑑賞教室」の見学や、当館関係者へのインタビューを実施。また、当館ボランティア(鑑賞リーダー)に藤原さんの活動をご紹介する会を設けました。●滞在日誌 2023年12月20日-21日続けて滞在3-5日目(2023年12月22-24日)には、オープンデーを実施。オープンデーに参加してくださったみなさんと一緒に滞在テーマについて考えを深めるべく、「世田谷美術館にわたしの〈存在〉を展示する」ことを試みるワークショップを行いました。●滞在日誌 2023年12月22日-24日(3-5日目) オープンデーの様子(2023年12月24日)また、当館公式YouTube「世田美チャンネル」に公開するインタビュー動画も収録しました。前半の滞在を終えた時点での感想や、創作活動に対する考えなどを藤原さんにおうかがいしています。●【世田美チャンネル】vol.36 「Performance Residence in Museum 2023-24:藤原佳奈インタビュー」約1ヶ月の発酵期間ともいえるような時間を経て、1月末より後半の滞在が始まりました。滞在前半のリサーチと藤原さんがかねてより関心を抱いていた事柄が交差していき、上演の構想が立ち上がりました。滞在6-7日目(2024年1月26-27日)は、上演に向けて俳優の坂口彩夏さんも加わり、協働作業が始まりました。●滞在日誌 2024年1月26日-27日(6-7日目)滞在8-11日目(1月28-30日)。上演に向けて試行錯誤が続きます。人形を使った上演を目指すにあたり、人形遣い・人形美術・人形劇作演出家の長井望美さんにもアドバイスをいただきました。また、滞在当初から続けていたリサーチをさらに深めるために、当館の建築デザインを手がけた内井昭蔵がゆかりのあるニコライ堂(神田)や、当館の分館である向井潤吉アトリエ館をたずねました。●滞在日誌 2024年1月28日-31日(8-11日目)滞在12-14日目(2月1-3日)は、上演の準備がラストスパートに突入。リハーサルを重ねていきました。ときに気分転換として、庭園エリアに出て青空稽古をしたことが良い作用にもなったようです。●滞在日誌 2024年2月1日-3日(12-14日目)いよいよ滞在最終日の15日目(2月4日)。滞在中に取り組んだ内容を、上演と報告会の形式で発表していただきました。報告会にはプログラムを企画したNPO法人アートネットワーク・ジャパンの米原晶子、当館学芸員の吉田絵美も登壇し、今回の滞在を振り返りました。●滞在日誌 2024年2月4日(15日目)上演中の坂口彩夏。(2024年2月4日)撮影:加藤 甫滞在報告会の様子。右から米原晶子、藤原佳奈、吉田絵美…滞在期間終了後、改めて本プログラムを振り返ったコメントも特設サイトに公開しています。●各コメントはこちら近年、上演芸術の本質にとことん向き合う活動に取り組んでいた藤原さん。その過程で「世田谷美術館を戯曲だと捉え、それをいま、上演するとしたら?」というテーマで活動したことは、藤原さんのアーティストとしての活動の新たな道標となったかもしれません。世田谷美術館にとっても、内井昭蔵の当館建築に込めた想いや当館の歩みをすすめてきた関係者の考えを振り返る機会となり、美術館をあらゆる角度から見つめなおす意義深い時間となりました。
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毎年ご好評頂いている「向井潤吉オリジナルカレンダー」、2022年版の販売が始まりました。月がわりで季節の作品がご堪能いただける、向井作品の魅力がたっぷり詰まったカレンダーです。中央にあるミシン目で図版を切り離すと、額絵として飾ることができますので、四季折々の向井作品をご自宅でも長くお楽しみください。「2022向井潤吉カレンダー 懐かしき日本の風景」 1部1,870円(税込) A3サイズ14枚綴り 制作・発行 株式会社グリーンショップ使用作品表紙 「微雨」1月 「岳麓好日」2月 「海の見える梅林」3月 「早春の水路」4月 「遅れる春の丘より」5月 「爽緑の丘」6月 「草原六月」7月 「雨後千曲川」8月 「渡月橋橋畔にて」9月 「山腹の家」10月 「奥多摩の秋」11月 「峠の下の村」12月 「凍日」通信販売の場合は別途送料が掛かりますのでお問い合わせください。向井潤吉アトリエ館 03-5450-9581秋は向井が意欲的に制作に向かった季節のひとつです。木々が美しく色づく季節、少しずつ冬の気配を感じるにつれ、お庭の表情もうつり変わっています。芸術の秋に、ぜひ当館へおでかけください。現在は「向井潤吉の歩みと作品 向井が愛した家具とともに」展を開催中展覧会ページはこちら 向井潤吉アトリエ館 公式インスタグラム開設!季節ごとにうつろうお庭の様子をはじめ、アトリエ館の様々な魅力を発信しています。ぜひチェックしてみてください。向井潤吉アトリエ館Instagramhttps://www.instagram.com/mukaijunkichi_annex/
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春爛漫の季節となりました。向井潤吉アトリエ館も花々と鳥たちの声でにぎわっています。ただいま向井潤吉アトリエ館ホームページでは向井潤吉生誕120年を記念し、四季折々の表情が楽しめるお庭ほか、本日のアトリエ館の風景を写真でお楽しみいただける特設ページを日々更新しています。向井潤吉アトリエ館ホームページ内「歳時記+」より縁側からお庭の景色をゆっくりとお出かけすることを控えていらっしゃる方も、お庭の花や草木、訪れる野鳥など季節の移り変わりを写真でお楽しみいただければ幸いです。ぜひ覗いてみてください。「生誕120年歳時記+」ページはこちら開催中の展覧会「生誕120年向井潤吉の歩みと作品-デザインの仕事を加えて」では向井潤吉の80年におよぶ画業を、初期から晩年の作品を通してご紹介しています。作品の中には修復が行われて今回晴れてお披露目となるものも数点あります。《湯島台雪景》[東京都文京区湯島] 1933年《トレド新春》 1960年 また今期展では絵画作品とあわせて、向井が手がけた書籍の装丁や表紙画、着物の帯などもご覧いただけます。油彩に箔押しを施した帯のモダンな美しさに目を奪われます。向井が油彩に箔押しを施した帯 1932年頃様々な作品を展示室でぜひお楽しみください。みなさまのお越しを心よりお待ちしております。展覧会ページはこちら
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さわやかな秋晴れが続いております。向井潤吉アトリエ館でも実りの季節となり、クヌギやコナラのどんぐりの落ちる音が聞こえ、秋の深まりを感じています。さて、向井潤吉アトリエ館では毎年ご好評頂いている「向井潤吉カレンダー」2021年版の店頭販売および通信販売が始まりました。昨年は改修工事による休館と重なり販売を見送ることになってしまい、“残念”というお声を沢山頂き、新たな販売方法を探っていたところ、㈱グリーンショップ様が同じ仕様でカレンダーを制作して下さることになりました。また皆様にカレンダーをご案内出来る事を大変嬉しく思います。来年2021年は、向井潤吉生誕120周年の年でもあります。是非、ご自宅で向井潤吉の風景をお楽しみください。カレンダー 2月 《春塘》[埼玉県川越市郊外]198…カレンダー 9月 《甘橿丘遠望-橘寺境内より》[奈良…2021年カレンダーの図柄をご紹介します。表紙〈宿雪の峡〉1月 比良春節[京都府京都市左京区大原]1970年2月 春塘[埼玉県川越市郊外]1984年3月 春叢[埼玉県東松山市神戸]1988年4月 春映[岩手県上閉伊郡宮守村]1976年5月 水辺の曲り家[岩手県稗貫大迫町内川目]1976年6月 六月の田園[岩手県岩手郡滝沢村]1971年7月 雨後楢下宿[山形県上山市楢下]1970年8月 山間草炎[山形県東田川郡朝日村田麦俣]1962年9月 甘橿丘遠望-橘寺境内より[奈良県高市郡明日香村大字橘]1970年10月 秋風の中の水車[岩手県江刺市中沢]1969年11月 古壁の秋[奈良県奈良市高畑町福井、奈良新薬師寺近く]1971年12月 大原新雪[京都府京都市左京区大原]1981年A3サイズ 14枚綴り制作・発行:株式会社グリーンショップ1部1,870円(税込)、通信販売の場合は別途送料が掛かりますのでお問い合わせください。お問合せ:向井潤吉アトリエ館/03-5450-9581また、現在は『向井潤吉の現場とアトリエ』と題して、向井が現場を訪ね、実際の民家を前に制作されたものなどの現地制作の作品と併せて、行動美術協会展出品のためにアトリエで手がけた大作を展示しております。11月に入ると、徐々にお庭のモミジが鮮やかに色付き始めます。秋の良き日に是非アトリエ館にお出かけください。
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出演:世田谷美術館学芸員・橋本善八(本展担当学芸員、当館学芸部長)、友人・門 あすか(当館学芸員)世田谷美術館で2018年9月8日から11月4日まで開催した企画展「民家の画家 向井潤吉 人物交流記」に関連した、展覧会担当学芸員による、向井潤吉の生涯と本展の見どころのお話しです。このたびのセタビ・ポッドキャスティングでは、いつもと趣向を変えて、展覧会を担当した学芸員の友人が、美術館へ訪ねてきたとことから始まる会話劇としてお届けします。ごゆっくりお楽しみください。※セタビPodcastingについて
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9月7日(土)から始まった展覧会「民家の画家 向井潤吉 人物交流記」では、これまでにない規模で向井潤吉の画業の全容を紹介しています。Ⅲ1960―1989「民家遍旅」戦後、草屋根の民家の風景を描き続けたことで知られる向井潤吉。今回の展覧会では、代表作の民家をテーマにした作品はもちろん、初期の浅井忠創設の関西美術院で学んでいた頃の作品や、渡欧時代のルーヴル美術館での模写作品、戦中の従軍画家としての仕事なども紹介。向井が民家を描く動機となった『民家図集』(緑草会編、大塚巧藝社、1930-31年)の一部もご覧いただけます。Ⅰ1901-1936「出生から渡欧まで」Ⅱ1937―1959「戦争の時代、そして民家との出会…また向井潤吉は、本や新聞連載の挿図なども数多く手掛け、行動美術協会の結成や世田谷の芸術家の集り「白と黒の会」でも中心的な役割を果たしてきました。本展では、こうした向井潤吉の様々な側面を彼の残したエッセイとともに辿り、激動の時代を生きた民家の画家の魅力に迫ります。そして2階では、向井潤吉の作品の時代とも重なってくる当館所蔵の1930年代から2000年代にかけて撮られた東京の写真を展示する「ミュージアム コレクションⅡ 東京スケイプ Into the City」を開催しています。2階展示室 ミュージアム コレクションⅡ「東京スケイ…時代とともに変貌を重ねてきた都市の風景は、向井潤吉が描いた地方の消え行く農漁村の民家のある風景とある意味、表裏一体の風景といえるでしょう。是非、両方の展覧会をお楽しみいただければ幸いです。