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企画展(終了)
最初期のカラー写真など、知られざる19世紀の写真家のヴィンテージ・プリントが一堂に フェリックス・ティオリエ(1842−1914)は、優れた写真家であると同時に、19世紀末にヨーロッパで展開された「ピクトリアリズム」や「自然主義」の芸術運動を代表する作家の一人です。彼の写真家としての業績は、長い間全く知られておりませんでした。それは、彼が当時の写真家たちと交流せず、展覧会にも出品せず、写真協会のメンバーにもならず、また存命中には写真を売ることもなかったからでした。ティオリエの作品を文化機関や美術館に初めて紹介したのは、その写真の素晴らしさに魅了された、彼の子孫の一人であるベルトラン・ジュリアン=ラフェリエール氏であり、それは1980年代のはじめのことでした。その後、彼の写真作品は、1986年にニューヨーク近代美術館に、1995年にはサン=テティエンヌ近代美術館に、その翌年にはシュトゥットガルト州立美術館に次々と紹介され、1998年には、オルセー美術館や横浜美術館にも紹介されました。このときオルセー美術館は、そのコレクションにティオリエの15点のヴィンテージ写真を加えました。これらの作品は近年、テーマ別の様々な展覧会「パリ 1900年」(グラン・パレ、2000年)、「ピクトリアリズムからウジェーヌ・アジェへ」展(オルセー美術館、2002年)、「風景と自然」展(オルセー美術館、2004年)で紹介されています。本展では、こうした知られざる写真家、ティオリエが遺したヴィンテージ・プリントに加え、最初期のカラー写真ともいうべきオートクローム数点など、約170点の稀少な作品を展覧いたします。自然と芸術との調和をひとつのテーマとしてきた世田谷美術館において、バルビゾン派ともかかわりをもった美しい写真の数々が、一世紀以上の時間を超えて蘇ることになります。日本の美術館においては初めてとなるこの本格的なフェリックス・ティオリエの回顧展にて、皆様が改めて写真のもつ魅力に触れてくださることを願っています。
イベント(終了)
10代のみなさん!展覧会の作品からヒントをもらって、ちょっと変わった演劇をつくりませんか?閉館後に展示室で発表会を行います。
イベント(終了)
展覧会の作品からヒントをもらってダンスや演劇をつくりましょう!閉館後に展示室で発表会を行います。
イベント(終了)
19世紀末のフランスの地方都市サン=テティエンヌを拠点に写真を撮り続けたフェリックス・ティオリエ。彼の生きた時代は炭鉱や機械産業、繊維産業などが急速に発達した、まさにフランス都市近代化の真っ只中でした。一方、東京では明治維新とともに武家社会から一転して、西洋文化を積極的に取り入れた近代国家による近代都市化が急激に始まります。国家体制の整備や教育機関はもとより、銀行をはじめとする金融制度など数々の改革が行われ、その象徴として多くの建造物が東京に出現したのです。今回は2人の案内人の2つのシリーズによって、幕末から明治へと大きく変貌を遂げた「東京」の19世紀末を現在の街から透視し、その僅かな残り香を追想、体感することを試みます。
イベント(終了)
19世紀末のフランスの地方都市サン=テティエンヌを拠点に写真を撮り続けたフェリックス・ティオリエ。彼の生きた時代は炭鉱や機械産業、繊維産業などが急速に発達した、まさにフランス都市近代化の真っ只中でした。一方、東京では明治維新とともに武家社会から一転して、西洋文化を積極的に取り入れた近代国家による近代都市化が急激に始まります。国家体制の整備や教育機関はもとより、銀行をはじめとする金融制度など数々の改革が行われ、その象徴として多くの建造物が東京に出現したのです。今回は2人の案内人の2つのシリーズによって、幕末から明治へと大きく変貌を遂げた「東京」の19世紀末を現在の街から透視し、その僅かな残り香を追想、体感することを試みます。
イベント(終了)
19世紀の白黒写真から、当時の光と色を想像してカラフルなポストカードを作ります。どなたでもその場で参加できます。
刊行物
目次「「写真を撮るのに必要なのは、カメラと写真家と、そして何よりも被写体である」―マン・レイ フェリックス・ティオリエ1842-1914」マルティンヌ・ダンセ=ムーレ第1章 肖像写真「写真家、編集者、美術愛好家―フェリックス・ティオリエの郷土愛」賀川恭子第2章 パリの風景第3章 農村に暮らす人びと第4章 工業化の時代第5章 ティオリエの愛したフランス第6章 色彩の世界へ主要参考文献[刊行年順]フェリックス・ティオリエ年表関連地図作品リスト奥付執筆:マルティンヌ・ダンセ=ムーレ、賀川恭子編集:賀川恭子、田口勝也(アプトインターナショナル)編集協力:ベルトラン・ジュリアン=ラフェリエール、ノエル・セネクロウズ、波多野啓子邦訳:賀川恭子英訳:勝矢桂子デザイン:近藤一弥制作:印象社発行:アプトインターナショナル、小谷哲哉 ©2010