建築とは何か−常に問い続ける建築家の近未来設計図
[b]建築とは何かを常に問い続ける建築家[/b]
石山修武(いしやま・おさむ、1944 年生まれ)の建築は、私たちが普段目にする住宅やオフィスビルと同じような考え方では設計されていません。出世作となった《幻庵》(1975 年)では、通常は地中に埋めて下水管等に使用する工業用コルゲートパイプを躯体に転用し、また、吉田五十八賞を受賞した《伊豆の長八美術館》(1984 年)では、現代建築においては等閑視されていた左官の技術を蘇らせました。
その土地に固有の素材を活用するばかりでなく、通常は建築物に使わない資材を転用し、時には依頼者自身が建設作業を行うといった独自の設計方法は、社会状況との関わりのなかで建築を捉えなおし、その先にある可能性を見据えてきた結果ということができます。
[b]現代を微調整し、未来を提示する12 の物語[/b]
本展覧会では、完成させず、前の家の廃材を再利用しつつ、緩やかに建設作業を続けている自邸《世田谷村》、募金活動で建設資金を集め、少しずつレンガを積んで10年以上の歳月をかけて2006年に完成した《ひろしまハウス》を始め、近年手がけている12のプロジェクトを中心に、石山修武の活動を、模型、ドローイング、写真などでご紹介いたします。
一つの敷地のなかでエネルギーを自給自足するシステムや、大都市でのメディアセンターの建設構想など、今、石山修武は建築を通じてどのようなメッセージを発信しようとしているのでしょう。
また、建築家としては異色ともいえる版画作品も展示します。さらに、石山修武研究室の分室が展示室内に設けられ、その先のプロジェクトが皆様の前で日々展開してゆく予定です。ぜひご期待ください。
撮影:大谷一郎
石山修武(いしやま・おさむ、1944 年生まれ)の建築は、私たちが普段目にする住宅やオフィスビルと同じような考え方では設計されていません。出世作となった《幻庵》(1975 年)では、通常は地中に埋めて下水管等に使用する工業用コルゲートパイプを躯体に転用し、また、吉田五十八賞を受賞した《伊豆の長八美術館》(1984 年)では、現代建築においては等閑視されていた左官の技術を蘇らせました。
その土地に固有の素材を活用するばかりでなく、通常は建築物に使わない資材を転用し、時には依頼者自身が建設作業を行うといった独自の設計方法は、社会状況との関わりのなかで建築を捉えなおし、その先にある可能性を見据えてきた結果ということができます。
[b]現代を微調整し、未来を提示する12 の物語[/b]
本展覧会では、完成させず、前の家の廃材を再利用しつつ、緩やかに建設作業を続けている自邸《世田谷村》、募金活動で建設資金を集め、少しずつレンガを積んで10年以上の歳月をかけて2006年に完成した《ひろしまハウス》を始め、近年手がけている12のプロジェクトを中心に、石山修武の活動を、模型、ドローイング、写真などでご紹介いたします。
一つの敷地のなかでエネルギーを自給自足するシステムや、大都市でのメディアセンターの建設構想など、今、石山修武は建築を通じてどのようなメッセージを発信しようとしているのでしょう。
また、建築家としては異色ともいえる版画作品も展示します。さらに、石山修武研究室の分室が展示室内に設けられ、その先のプロジェクトが皆様の前で日々展開してゆく予定です。ぜひご期待ください。
撮影:大谷一郎