企画展


タイトル

都市と現代美術−廃虚としてのわが家−

1992年6月7日~7月26日


 

 1980年代半ば以降、東京は大きな変容を遂げました。日本経済の強大化に伴い、あらゆる情報や経済活動が、東京に過剰なまでに集中する一方で、地方の相対的な地盤沈下が顕著になってきました。都心の各所で大規模な再開発が進められ、昔ながらの住宅地に替わってハイテックなオフィスビル群やショッピング街が出現しました。また首都圏郊外の宅地造成の結果、都市的環境はますます膨張、肥大化し、自然は加速度的に侵食されていきました。華麗な外観と裏腹に、東京は内部に空洞をかかえこんだ巨大な廃墟と化してしまったように思われます。
 80年代を通じ、何人かの自覚的な美術家たちはこうした今日の都市の現実から眼をそらさず、直接向き合うことで自らの作品世界を構成してきました。建築に寄り添う脱構築的なインスタレーション、建物の解体の過程自体を作品化したインスタレーション、自然と人工を対比させた作品等、多様なアプローチが試みられてきました。本展では、「絶対現場87」(鈴木了ニ・田窪恭治・安斎重男)といった過去のプロジェクトの記録を含め、川俣正、PHスタジオ、田窪恭二、宮本隆司、土屋公雄、河口龍夫、戸谷成雄、國安孝昌、長澤伸穂、柳幸典の11作家・グループが、立体、インスタレーション、写真等による新作も交え、都市というテクストに取り組みます。