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館長あいさつ

世田谷美術館 館長

世田谷美術館は、私たちの日常生活がより豊かな情感に満ちていくように、さまざまな角度から「文化」を考え、そこから多彩な事業をうみだしてまいりました。

 私たちは、美術館の基本的な使命である作品の収集・保管事業や展覧会事業はもとより、講演会やワークショップ、また音楽会やパフォーミング・アーツの開催、さらにレストランやカフェの運営など、館全体のもつ可能性を耕し、日々の暮らしが多彩な美と近づくようにと心を尽くしております。

 普及事業においては館の創設時より、学校との連携事業をはじめ、全国的にみても先駆的な試みを展開し、今後は多文化共生という時代の大きな動向もふまえ、さまざまな取り組みを拡充していきたいと考えております。

 私は1986年の開館以来、学芸員として当館に勤務し、さまざまな事業に携わってまいりました。

 時代の景色、時代の空気が刻々と変化するなかで、私たちは美術館自体が深めていくべきこと、そして社会に果たしていくべきこととは何かという課題に、いつも向きあい続けてきたと感じています。

 世田谷美術館は、ご来館をいただく皆様、そして世田谷美術館友の会、また、たくさんのボランティアの皆様から、ご理解とご支援をいただいています。

 そうした皆様からの応援のお気持ちを大切にし、美術館本来の使命を果たしつつ、これからも地域との関係を深め、新たな時代の変化を読みとり、活動の場をより広げてまいりたいと存じます。


 世田谷美術館は、これからも世界の時の一端を刻んでまいります。

 皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。

2024年4月

世田谷美術館館長 橋本 善八

歴代の館長

  • 大島清次(1924-2006)

    在任期間:1985年-2003年3月

    初代館長である大島清次氏は、1972年に栃木県立美術館副館長に就き、1981年に同館館長に就任しました。西洋美術史全般に通じ、とりわけジャポニスムの研究領域では顕著な功績をのこしました。

    世田谷美術館の開設準備段階から着任し、1986年の開館から17年間にわたって事業面をはじめ、世田谷美術館が歩むべき道を整え、館運営全般にわたって陣頭に立って尽力し、当館の土台を築くことに専念しました。2003年3月に館長を退任、名誉館長に就いています。

    主な著書など

    • 『ドガ』 (美術家評伝双書)  岩崎美術社、1970年
    • アンドレー・ケイガン『モダン・マスターズ・シリーズ マルク・シャガール』(訳書) 美術出版社、1990年
    • 『ジャポニスム:印象派と浮世絵の周辺』 美術公論社、1980年/講談社学術文庫、1992年
    • ピエール・フランカステル『絵画と社会』(訳書) 岩崎美術社、1968年/新版1991年
    • 『美術館とは何か』 青英舎、1995年 ほか
  • 酒井忠康(1941- )

    在任期間:2004年4月-2024年3月

    酒井忠康氏は、1964年に神奈川県立近代美術館に学芸員として入職し、学芸課長、副館長を歴任後、1992年には同館館長に就任しました。国内外のさまざまな展覧会を企画・運営するとともに、近現代美術の領域での研究、多彩な評論活動を展開しています。

    2004年からは世田谷美術館館長に就任し、2024年3月までの20年間にわたり、世田谷美術館における作品収集、また展覧会事業の独自性を開拓し続け、当館の事業拡充を推進しました。

    主な著書など

    • 『開化の浮世絵師・清親』 せりか書房、1978/平凡社ライブラリー、2008年
    • 『若林奮 犬になった彫刻家』 みすず書房、2008年
    • 『ダニ・カラヴァンー遠い時の声を聴く』 未知谷、2012年
    • 『覚書 幕末・明治の美術』 岩波書店、2013年
    • 『芸術の海をゆく人 回想の土方定一』 みすず書房、2016年
    • 『横尾忠則さんへの手紙』 光村図書出版、2019年
    • 『余白と照応 李禹煥ノート』 平凡社、2023年 ほか