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企画展(終了)
倒木や立ち枯れた木などを題材に、自然環境と関わり合いつつ、制作を展開するデイヴィッド・ナッシュ(1945― )は、その徹底した自然主義によって国際的にも高い評価を得ています。日本にも、1982年、84、85年と3度にわたり来日、奥日光、琵琶湖畔、宮城県船形山麓等で制作し、その成果による展覧会は各地で大きな反響を呼び起こしました。今回展示される「船形」、「黒い桂」、「ダケカンバの尖箱」等はいずれも舟形山麓で制作されたもので、私たち荒々しい自然の息吹を感じさせてくれるでしょう。
ミュージアム コレクション
1986年、世田谷美術館は「開館記念展 芸術と素朴」を皮切りに、その歩みをスタートさせました。専門的な美術教育を受けず独自の表現で創作に励んだ素朴派や、国内外の近現代美術など幅広い作品を収集してきたコレクションには、イギリス美術の作品群が含まれています。開館記念展の後、イギリスの素朴画家であるアルフレッド・ウォリス(1855-1942)、第61・63代首相をつとめたサー・ウィンストン・S.チャーチル(1874-1965)ら独学の人々による作品を収蔵し、さらに「デイヴィッド・ナッシュ 船形ワークス」展(1987)、「東と西の架け橋 セント・アイヴス―風土と芸術」展(1989)、「イギリス美術は、いま 内なる詩学」展(1990)、「リチャード・ロング 山行水行」展(1996)といったイギリスの現代美術に焦点をあてた展覧会を機に、出品作家による作品がコレクションに加わりました。敷地内の庭ではバリー・フラナガン(1941-2009)などの現代作家による屋外彫刻もみることができます。 世田谷美術館のイギリス美術は、1980年代から90年代半ばに収蔵され、当時、国際的に活躍していた作家たちが80年代に制作した作品が多くを占めています。本展では、過去に開催した展覧会の記録写真もご紹介しながら、1980年代を中心とするイギリス美術のコレクションを振り返ります。[コーナー展示] 銅版画家・久保卓治―過ぎゆく時を刻むモノクロームの世界
ミュージアム コレクション(終了)
本展は「ミュージアム コレクション特別篇」として、「グローバル化時代」をキーワードに、普段はあまり目にすることの少ない大型作品を中心に収蔵品を見つめなおした展覧会です。自国を離れて異国でも創作を展開したロバート・ラウシェンバーグ やデイヴィッド・ナッシュ 、ジャン=ミシェル・バスキア など、ワールド・ワイドに活躍する作家たちの作品をご紹介いたします。この展覧会は、2020年夏の東京オリンピック/パラリンピックに併せて企画されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で順延となったもので、もともと当館のコレクションを紹介する目的でした。「グローバル化時代」をキーワードにしたのは、国際的なイベントの開催時にふさわしい展示を意図したからですが、80年代半ばに開館した当館のコレクションとしては、ふだんあまり目にすることの少ない海外および日本の現代美術の作家たちの大型作品にしぼった展示となりました。副題に謳ったように「コレクションで楽しむ世界旅行」という形容は、いささか大袈裟ですが、しかし、それぐらいの興味深い展示内容となっているのではないでしょうか。「グローバル化時代」となって、世界の現代美術の作家たちは、斬新な発想と冒険心に充ちた活動を地球規模で繰り広げました。そうしたなかに、もちろん国際的な評価を獲得した日本の作家たちも含まれています。その意味で日本および世界の現代美術のさまざまな潮流を見て取ることも可能です。そしてまた、この展覧会を介して創造的な文化・芸術を支える根本的な社会の仕組みが、本来、どうあるべきなのかを考えるきっかけにしてほしいと願っています。 (酒井忠康・世田谷美術館館長)
イベント(終了)
新着情報
3月30日(日)は、世田谷美術館の開館記念日です。当日は、現在開催中のミュージアム コレクションⅢ「1980年代のイギリス美術 展覧会の記憶とともに」を無料でご覧いただけます。(世田谷美術館コレクション選「緑の惑星 セタビの森の植物たち」展は有料)皆様のご来館をお待ちしています。