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企画展(終了)
倒木や立ち枯れた木などを題材に、自然環境と関わり合いつつ、制作を展開するデイヴィッド・ナッシュ(1945― )は、その徹底した自然主義によって国際的にも高い評価を得ています。日本にも、1982年、84、85年と3度にわたり来日、奥日光、琵琶湖畔、宮城県船形山麓等で制作し、その成果による展覧会は各地で大きな反響を呼び起こしました。今回展示される「船形」、「黒い桂」、「ダケカンバの尖箱」等はいずれも舟形山麓で制作されたもので、私たち荒々しい自然の息吹を感じさせてくれるでしょう。
ミュージアム コレクション
倒木や枯れ木を素材に制作を行うデイヴィッド・ナッシュ(1945-)の彫刻、家族との出来事を描いたアンソニー・グリーン(1939-2023)の絵画をはじめ、1980年代のイギリス美術を紹介します。
ミュージアム コレクション(終了)
本展は「ミュージアム コレクション特別篇」として、「グローバル化時代」をキーワードに、普段はあまり目にすることの少ない大型作品を中心に収蔵品を見つめなおした展覧会です。自国を離れて異国でも創作を展開したロバート・ラウシェンバーグ やデイヴィッド・ナッシュ 、ジャン=ミシェル・バスキア など、ワールド・ワイドに活躍する作家たちの作品をご紹介いたします。この展覧会は、2020年夏の東京オリンピック/パラリンピックに併せて企画されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で順延となったもので、もともと当館のコレクションを紹介する目的でした。「グローバル化時代」をキーワードにしたのは、国際的なイベントの開催時にふさわしい展示を意図したからですが、80年代半ばに開館した当館のコレクションとしては、ふだんあまり目にすることの少ない海外および日本の現代美術の作家たちの大型作品にしぼった展示となりました。副題に謳ったように「コレクションで楽しむ世界旅行」という形容は、いささか大袈裟ですが、しかし、それぐらいの興味深い展示内容となっているのではないでしょうか。「グローバル化時代」となって、世界の現代美術の作家たちは、斬新な発想と冒険心に充ちた活動を地球規模で繰り広げました。そうしたなかに、もちろん国際的な評価を獲得した日本の作家たちも含まれています。その意味で日本および世界の現代美術のさまざまな潮流を見て取ることも可能です。そしてまた、この展覧会を介して創造的な文化・芸術を支える根本的な社会の仕組みが、本来、どうあるべきなのかを考えるきっかけにしてほしいと願っています。 (酒井忠康・世田谷美術館館長)