(16件)
企画展(終了)
洋画家・村井正誠(1905-1999)は、戦前は新時代洋画展や自由美術家協会、戦後はモダンアート協会の創立メンバーとして、画壇に新風を送り続けた抽象絵画のパイオニアです。岐阜県大垣市に生まれ、和歌山県新宮市で少年期を過ごした村井は、文化学院の大学部美術科第一期生として学んだ後、1929年に渡仏し当時最先端の美術潮流に刺激を受けます。1939年からは世田谷区中町に自宅兼アトリエを構え、終生この地で創作を続けました。 村井の絵画は一貫して「人」をテーマとし、おおらかであたたかな独特の雰囲気を纏(まと)っています。また、様々な素材によるオブジェ制作にも取り組み、絵画に劣らない豊かな造形はかわいらしさやユーモアに溢れています。そして、自作品が民芸品など愛着の品々とともに並んだアトリエは、それ自体が村井の造形世界を凝縮したかのようです。そのアトリエは現在、建築家・隈研吾の設計により、画室をそのまま内部に保存した美術館となっています。 本展では村井の画業をたどるとともに、版画やオブジェ、素描など多彩な創作活動と、作品が生み出されたアトリエをご紹介し、村井の造形にひそむ「あそび」の精神を探ります。※本展関連企画の講演会及びレクチャーは、すべて手話通訳が付きます。
企画展(終了)
日本抽象画のパイオニアである、村井正誠氏の展覧会を開催いたします。村井正誠氏は1905年(明治38)に岐阜県に生まれ、和歌山県新宮に育ちました。文化学院・大学部美術科の第一期生として勉強され、1929年に渡仏します。エコール・ド・パリに華やぐパリでは、キュビズムやフォーヴィスムなど新しい美術運動も展開しており、さまざまな表現が交錯する渦中に村井氏は身を置くことになりました。マチスやモンドリアンなどの影響を受けつつ、氏は絵画の抽象の探求を始めます。しかし、その表現はいわゆる純粋抽象ではなく、つねに街や人体をモチーフとし、おおらかで暖かみのある曲線と深みのある色面によって各々の作品は構成されています。本展は村井氏の1965年以降から最近作までの中からおよそ40点をピックアップし、いわば近作展というかたちで展覧するものです。
ミュージアム コレクション
20世紀を駆け抜けた世田谷ゆかりの画家、難波田龍起(1905-1997)、村井正誠(1905-1999)、堂本尚郎(1928-2013)。いずれも現在では主に抽象画家として知られていますが、その画業は全く異なる地点から始まりました。高村光太郎との出会いから画家を志し、のちに抽象絵画を通じて「生」の表現を希求した難波田龍起。若き日の滞欧経験を経て、街並みや人間の姿を抽象化し、のびやかな形と鮮やかな色彩で描いた村井正誠。日本画から洋画に転じ、アンフォルメルを経て独自の日本的抽象へと展開した堂本尚郎。本展では、三者三様の画風の変遷を通して、繰り返しスタイルを変化させながらも、変わらぬ信念で自らの表現を追求し続けた画家たちの軌跡を紹介します。[コーナー展示] 生誕100年記念 名優・高峰秀子の肖像高峰秀子氏からの受贈作品全11点により、梅原龍三郎らが描いた名優・高峰秀子の姿をご紹介します。
ミュージアム コレクション(終了)
20世紀のはじめに生まれ、90余年の生涯を全うしたふたりの画家、小堀四郎(1902-1998)と村井正誠(1905-1999)。ふたりは同じ時代を生き、奇しくも同時期にパリで学んでいますが、互いに深く交流することはなく、小堀は具象、村井は抽象と、それぞれ異なる表現で創作を重ねました。小堀は1935年の帝展改組を機に官展を離れ、以降、孤高ともいえる道を歩みます。いっぽう、村井は、当時まだ日本では馴染みの薄かった抽象表現の道を進み、難渋しつつも、戦後はモダンアート協会を設立するなど、自ら活動の場を切り拓いていきました。画壇に属さず、作品を売ることもせずに、ひとり制作に打ち込んだ小堀と、画家仲間とともにグループを設立して淡々と作品を発表した村井の生き方は、対照的に見えながらも、共通した時代の陰影を感じさせます。長年にわたって世田谷にアトリエを構えたふたりの画家の諸作品を通じ、大きな戦争を経験し、価値観が多様化していく社会のなかで、それぞれが独自の美学を語り尽くそうとした創作の軌跡をご覧いただければと思います。*コーナー展示 「追悼―舟越直木」世田谷に在住し、2017年に逝去した舟越直木(1953-2017)を追悼し、その彫刻やドローイングを紹介します。
ミュージアム コレクション(終了)
1999年、村井正誠は93歳でその生涯をおえましたが、彼が遺した膨大な作品群の多くが、村井正誠の遺志により世田谷美術館に寄贈されました。大画面にダイナミックな色彩とかたちが印象深い村井正誠の造形ですが、その周辺で彼が陶器や版画、金属や木や石の造形=オブジェにも創造世界を広げていたことを、寄贈された作品群を通じて知ることになりました。本展では、その生誕100年を記念し、こうした村井正誠の知られざる創造物の数々も広くご紹介します。
イベント(終了)
新型コロナウィルス感染拡大抑制のために、延期いたします。延期時期等、詳細については決まり次第、お申込の皆様にご案内をいたします。
イベント(終了)
新型コロナウイルス感染拡大抑制のために、中止いたします。展覧会のねらいや見どころをわかりやすく紹介します。
イベント(終了)
展覧会のねらいや見どころをわかりやすく紹介します。
イベント(終了)
村井正誠記念美術館を手掛けた建築家で、東京大学教授の隈研吾氏のお話をお聞きします。
イベント(終了)
新型コロナウイルス感染拡大抑制のために、当面の間、中止いたします。再開は、当サイトでお知らせいたします。展覧会毎に、様々な趣向を凝らした内容で、子どもから大人までその場で楽しめる簡単な工作などを行います。今回は、好きな形を切り抜いて、型染のてさげ袋を作ります。
イベント(終了)
日本の抽象表現を切り拓いたパイオニア。村井正誠。絵画だけではなく、版画や鋳造によるオブジェなどじつに幅広く、多彩な造形によって独特な表現世界を築きました。その村井の創作の拠点となったアトリエを斬新でユニークな発想とデザインで「村井正誠記念美術館」として変貌させた隈研吾氏を迎えスライドショーをまじえ、さまざまなエピソードをご紹介します。
ミュージアムショップ
目次「挨拶にかえて」酒井忠康図版第I章 1905-45:画家としての出発から自由美術家協会創立まで具象から抽象へ幾何学的な抽象の時代コラム1 村井正誠の滞欧体験第II章 1945-65:モダンアート協会創立―新しい抽象を目指して線の時代黒の時代コラム2 村井正誠と美術教育第III章 1965-99:円熟期―色と形に心をたくして色の時代集大成第IV章版画とオブジェ版画オブジェ旧アトリエ村井正誠記念美術館「村井正誠を想いかえす時」橋本善八「思い出すままに」村井伊津子再録「「自由な仲間たち」に寄せて」村井正誠、インタヴュー・構成:橋本善八村井正誠 略年譜村井正誠 主要文献リスト作品リスト奥付執筆:酒井忠康、村井伊津子、橋本善八、三木敬介、樋口茉呂奈編集:三木敬介、樋口茉呂奈デザイン:桑畑吉伸制作:リーヴル発行日:2020年2月7日発行者:世田谷美術館Seta〔ga〕ya Art Museum ©2020
刊行物
編集・発行:世田谷美術館
刊行物
目次 なし奥付編集:世田谷美術館(橋本善八)発行:世田谷美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、美術館連絡協議会、読売新聞社©1993デザイン・制作:大塚巧藝社
ブログ
日本の抽象絵画のパイオニアとして知られる画家・村井正誠(1905―1999)の創作の魅力をご紹介する展覧会「村井正誠 あそびのアトリエ」展の会期中、美術館の併設レストラン「ル・ジャルダン」では展覧会のコラボメニューをご用意しています。村井正誠の抽象絵画を思わせる色や形を意識したお料理や、村井正誠のゆかりの土地の食材などを使ったお料理が楽しめます。アミューズ:水まんじゅう/ジャルダンスタイルまずは、村井正誠の出身地の岐阜県名産の水まんじゅうをヒントにしたアミューズから。餡の代わりに村井正誠が少年時代を過ごした和歌山県産のフルーツを使った、つるんとした触感の水菓子のようなアミューズです。オードブル:テリーヌ・7種のソース続くオードブルは、まさに村井正誠の抽象絵画のような一品です。テリーヌの白地にくっきりと映える黒い四角形はイカ墨で、赤はパプリカの色です。梅や、ほうれん草、レモン、オニオンなど7種のソースでお楽しみください。スープ:本日のデミスープ旬の野菜をたっぷり使った具だくさんのスープの後は、いよいよメインのお魚料理とお肉料理です。村井正誠は、青年時代、渡仏して当時の最先端の美術潮流の刺激を受けました。メインのお料理には、村井正誠が旅で訪れたリンゴのお酒や乳製品で有名なフランスのノルマンディー地方のテイストを加えています。お魚料理:サーモンのノルマンディー風お魚料理は、少し熱を加え旨味を引き立てたお刺身用のノルウェーサーモンに、バターでソテーした甘酸っぱいリンゴを添えています。シードルと生クリームのコクがあるけれどさっぱり感のあるソースは、香りづけにカルヴァドスを使っています。お肉料理:滋味豊かな豚肉の朴葉焼き・カマンベールディ…お肉料理はカマンベールチーズのディップとともに、村井正誠の故郷の岐阜県の郷土料理の朴葉焼きにアレンジした豚肩ロースをお召し上がりいただく一品です。デザート:料理長の特別な一品デザートは、春らしい旬の苺の赤がアクセントのそれぞれ異なる触感や味わいの3種のスイーツをお楽しみいただけます。コラボメニューは展覧会会期中1日20食の限定で、パン、コーヒー又は紅茶付きで4400円(税込)です。日ごとに桜の蕾が膨らんでくる砧公園の景色をご覧いただきながらお食事をお楽しみください。
ブログ
洋画家・村井正誠(1905-1999)は、戦前は新時代洋画展や自由美術家協会、戦後はモダンアート協会の創立メンバーとして、画壇に新風を送り続けた抽象絵画のパイオニアです。2月8日(土)より始まりました「村井正誠 あそびのアトリエ」展では、油彩で村井の画業をたどるとともに、版画、オブジェ、素描・水彩などで多彩な創作活動を、また村井のアトリエに遺されていた蒐集品で作品が生み出されたアトリエを紹介し、村井の造形にひそむ「あそび」の精神を探ります。「村井正誠 あそびのアトリエ」 扇形展示室本展は、オブジェから始まります。会場に入ってすぐの扇形の展示室には、アルミニウム鋳造の大型レリーフ「自画像」3点が展示されています。そのまわりには村井のアトリエに遺されていた、お気に入りの民芸品や古道具などが置かれています。村井の創作の裏側が垣間見えるコーナーとなっています。オブジェに続く展示は〔はじまり〕。ここでは、1920年代後半から1930年代半ばの抽象から具象へと移り変わる村井の絵画作品をご覧いただけます。「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔はじまり〕展覧会は10のパートに分かれています。絵画作品は時系列およびモチーフによって〔はじまり〕、〔幾何学的抽象と都市〕、〔顔〕、〔天使と聖母子〕、〔人〕、〔黒〕、〔日本〕の7つのキーワードでわけて展示されています。村井の絵画は一貫して「人」をテーマとしています。おおらかであたたかい独特の雰囲気を感じてください。「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔幾何学的抽象と都市…「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔人〕展示ケースの中には、素描や水彩、貼り絵が展示されています。村井の多彩な造形の魅力に迫ることができます。「村井正誠 あそびのアトリエ」 貼り絵村井はたくさんのオブジェを制作しており、本展でもおよそ70点のオブジェが展示されています。村井はオブジェを「絵が実際の形に立体化したもの」と考えていました。木材の切れ端や石膏ブロックを組み合わせたものから、小型のブロンズ像や絵付けした陶器、アルミニウム鋳造のレリーフまで、その素材や大きさは多岐にわたります。平面作品とは一味違う、村井の遊び心が伝わってくる魅力的な作品をご覧ください。「村井正誠 あそびのアトリエ」 オブジェ「版画は油彩では表現できないものを出すための手段」と考えていた村井は、版画制作にも早くから取り組んでいました。村井の色とかたちの面白さをお楽しみいただける、20点が展示されています。「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔版画〕「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔日本〕最後のパート〔日本〕では1980年代後半から最晩年までの「色の時代」と呼ばれる絵画作品が展示されています。生涯を通じて「人」をテーマとして抽象を描きつづけた村井の集大成をご堪能ください。皆さまのお越しをお待ち申し上げます。