[カタログ/2020年2月7日発行]
-開催概要から-
洋画家・村井正誠(1905-1999)は、戦前は新時代洋画展や自由美術家協会、戦後はモダンアート協会の創立メンバーとして、画壇に新風を送り続けた抽象絵画のパイオニアです。岐阜県大垣市に生まれ、和歌山県新宮市で少年期を過ごした村井は、文化学院の大学部美術科第一期生として学んだ後、1929年に渡仏し当時最先端の美術潮流に刺激を受けます。1939年からは世田谷区中町に自宅兼アトリエを構え、終生この地で創作を続けました。
村井の絵画は一貫して「人」をテーマとし、おおらかであたたかな独特の雰囲気を纏(まと)っています。また、様々な素材によるオブジェ制作にも取り組み、絵画に劣らない豊かな造形はかわいらしさやユーモアに溢れています。そして、自作品が民芸品など愛着の品々とともに並んだアトリエは、それ自体が村井の造形世界を凝縮したかのようです。そのアトリエは現在、建築家・隈研吾の設計により、画室をそのまま内部に保存した美術館となっています。
本展では村井の画業をたどるとともに、版画やオブジェ、素描など多彩な創作活動と、作品が生み出されたアトリエをご紹介し、村井の造形にひそむ「あそび」の精神を探ります。
※本展関連企画の講演会及びレクチャーは、すべて手話通訳が付きます。
村井の絵画は一貫して「人」をテーマとし、おおらかであたたかな独特の雰囲気を纏(まと)っています。また、様々な素材によるオブジェ制作にも取り組み、絵画に劣らない豊かな造形はかわいらしさやユーモアに溢れています。そして、自作品が民芸品など愛着の品々とともに並んだアトリエは、それ自体が村井の造形世界を凝縮したかのようです。そのアトリエは現在、建築家・隈研吾の設計により、画室をそのまま内部に保存した美術館となっています。
本展では村井の画業をたどるとともに、版画やオブジェ、素描など多彩な創作活動と、作品が生み出されたアトリエをご紹介し、村井の造形にひそむ「あそび」の精神を探ります。
※本展関連企画の講演会及びレクチャーは、すべて手話通訳が付きます。
目次
「挨拶にかえて」酒井忠康
図版
第I章 1905-45:画家としての出発から自由美術家協会創立まで
具象から抽象へ
幾何学的な抽象の時代
コラム1 村井正誠の滞欧体験
第II章 1945-65:モダンアート協会創立―新しい抽象を目指して
線の時代
黒の時代
コラム2 村井正誠と美術教育
第III章 1965-99:円熟期―色と形に心をたくして
色の時代
集大成
第IV章
版画とオブジェ
版画
オブジェ
旧アトリエ
村井正誠記念美術館
「村井正誠を想いかえす時」橋本善八
「思い出すままに」村井伊津子
再録「「自由な仲間たち」に寄せて」村井正誠、インタヴュー・構成:橋本善八
村井正誠 略年譜
村井正誠 主要文献リスト
作品リスト
奥付
執筆:酒井忠康、村井伊津子、橋本善八、三木敬介、樋口茉呂奈
編集:三木敬介、樋口茉呂奈
デザイン:桑畑吉伸
制作:リーヴル
発行日:2020年2月7日
発行者:世田谷美術館
Seta〔ga〕ya Art Museum ©2020
1500円(税込)