[カタログ/2005年発行]
-開催概要から-
中世より毛織物業で栄えたヨーロッパの古都ゲントは、フランドル美術の中心地として知られています。19世紀ベルギーの独立期にあたっては、フランスなど近隣の影響を受けつつも、中世からの伝統に根ざした独特の文芸が開花しました。本展では、ゲント美術館の収蔵品より、新古典主義から自然主義、印象主義を経て、ベルギー象徴派、表現主義、そして、シュルレアリスムへと展開していく、ベルギー近代美術の流れを絵画作品中心にご紹介します。クノップフ、アンソール、マグリット、デルヴォーといったベルギーの巨匠たちと共に、ベルギー美術に影響を与えたコロー、ミレー、クールベ、そしてココシュカ、キルヒナー、エルンストらによる西洋近代絵画の名品を並行して展示します。
目次
「ゲント美術館と近代美術」ロベール・ホーゼー
「近代ベルギー美術とヴラーンデレン(フランドル)文化」高木陽子
カタログ
I 新古典主義
II ロマン主義
III バルビゾン派、自然との出会い
IV 呼応するベルギー
V レアリスムから自然主義まで
VI 印象主義
VII 新印象主義
VIII 象徴主義
IX アンティミスム
X フォーヴィズムの諸傾向
XI 表現主義と構成主義
XII シュルレアリスムと魔術的レアリスム
作家解説
関連年表(1748-1945)
ゲント市の歴史と魅力
主要参考文献
出品リスト
作品データおよび文献/Appendix
奥付
編集・翻訳:高松市美術館(毛利直子)、世田谷美術館(遠藤望、清水真砂、髙嶋雄一郎)、いわき市美術館(柴田百合子)、埼玉県立近代美術館(梅津元、大久保静雄、大越久子、中村誠、平野到、前山裕司)
テキスト・エッセイ執筆:ロベール・ホーゼー(ゲント美術館館長)、高木陽子(文化女子大学助教授)、酒井忠康(世田谷美術館館長)、毛利直子(高松市美術館学芸員)、牧野裕二(高松市美術館学芸員)、柴田百合子(いわき市立美術館学芸員)、前山裕司(埼玉県立近代美術館学芸主幹)
デザイン:馬面俊之
制作:インターパブリカ、アートエディット
発行:読売新聞社、美術館連絡協議会©2005