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これまでの企画展

終了

2017.02.11 - 04.09

花森安治の仕事
デザインする手、編集長の眼

開催概要

花森安治(はなもり・やすじ、1911-1978)は、終戦まもない1946年3月に、大橋鎭子(おおはし・しずこ)を社長とする衣裳研究所を銀座に設立、新進の服飾評論家としてデビューしました。〈直線裁ち〉という誰もが簡単に作れる洋服を提案した『スタイル・ブック』は評判を呼びますが、かねてより計画していた生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(のちの『暮しの手帖』)を1948年9月に創刊し、その後、社名も暮しの手帖社へと変更します。

〈衣・食・住〉を基本にすえつつ、もののない時代には〈工夫とアイデア〉による豊かな暮しを提案、電化製品が普及した高度成長期には〈日用品の商品テスト〉を実施、そして食品添加物や公害問題が叫ばれた70年代には〈社会の矛盾を鋭くえぐる批評〉を誌面で展開し、ペンで権力に挑みました。30年間にわたり一切広告を入れず発行100万部に迫るまでに成長させた雑誌『暮しの手帖』を舞台に、表紙画からカット、レイアウト、新聞広告、中吊り広告まで、取材や執筆はもとより、制作から宣伝まで、すべてを手がけたのが編集長・花森安治だったのです。

本展では、花森の作品そのものともいえる『暮しの手帖』が庶民に向けて発したメッセージに、改めて耳を傾けます。戦時中の大政翼賛会での仕事にも着目しつつ、花森が全身全霊をかけて打ち込んだ出版活動を、ひとつの雑誌を超えた「運動」として捉え、多彩な仕事のなかからその思想を探ってゆきます。

戦後日本の出版文化に計り知れない影響を与えた『暮しの手帖』は、花森が他界したのちも刊行されつづけており、現在、通巻485号を数えています。21世紀を生きる私たちが今、日々の暮しに視座を据えた花森の提言に改めて心を打たれるのは、時代に左右されることのない変わらぬ想いが伝わってくるからでしょう。本展では、暮しの手帖社の全面的な協力のもと、花森安治が遺した多数の稀少資料・約750点を展覧します。

基本情報

会期:
2017年2月11日(土・祝)~4月9日(日)
開館時間:
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:
毎週月曜日 
※ただし、2017年3月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)は休館。
会場:
世田谷美術館 1階展示室
主催:
世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、読売新聞社、美術館連絡協議会
後援:
世田谷区、世田谷区教育委員会
特別協力:
暮しの手帖社
協賛:
ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網

観覧料

(個人)
一般 1000円/65歳以上 800円/大高生 800円/中小生 500円
(団体:20名以上)
一般 800円/65歳以上 600円/大高生 600円/中小生 300円
※障害者の方は500円(団体の場合300円)。ただし小・中・高・大学生の障害者は無料、介助者(当該障害者1名につき1名)は無料。

●リピーター割引
会期中、本展有料チケットの半券をご提示いただくと、2回目以降は団体料金にてご覧いただけます。
※他の割引との併用はできません。
●相互割引
本展の有料チケット半券で、下記の3館の展覧会観覧料が割引になります。


「オルセーのナビ派展:美の預言者たち―ささやきとざわめき」
~身近な日常を主題とした絵画作品に出会える展覧会~
三菱一号館美術館(千代田区丸の内)
http://www.mimt.jp/nabis/

1880年代末のパリで前衛的な芸術表現活動を行なったナビ派の芸術を、オルセー美術館のコレクションから本格的に紹介する日本で初めての展覧会。
象徴主義や神秘的な主題などとともに、ナビ派の画家が好んだテーマのひとつが、室内や公園、子どもなどの日常の身近なものでした。ボナールやヴュイヤールといったナビ派を代表する画家たちの作品が並びます。

会期:2月4日(土)~5月21日(日)
当日:一般1700円→1600円、高校生・大学生1000円→900円、小・中学生500円→400円


「館蔵 中国の陶芸展」
~世田谷美術館に近隣する美術館の展覧会~
五島美術館(最寄り駅:東急大井町線 上野毛駅)
http://www.gotoh-museum.or.jp/

漢時代から明・清時代にわたる五島美術館の中国陶磁器コレクション約60点を展観し、2000年にわたる中国のやきものの歴史を展望します。

会期:2月18日(土)~3月26日(日)
当日:一般1000円→900円


「超・日本刀入門~名刀でわかる・名刀で知る~」
静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本)
http://www.seikado.or.jp/

国宝の「手掻包永太刀(てがいかねながたち)」をはじめとする選りすぐりの名刀約30振から日本刀の主な見所の鑑賞や刀剣の歴史や産地や逸話など、その魅力に迫ります。

会期:1月21日(土)~3月20日(月・祝)
一般:1000円→800円、高校・大学生:700円→500円


上記展覧会の有料チケット半券で、当館の「花森安治の仕事」展の観覧料も100円引きでご観覧いただけます。
※他の割引との併用はできません。
※半券1枚につき1名、1回限り有効。
※三菱一号館美術館のチケットによる、五島美術館および静嘉堂文庫美術館との相互割引はありませんのでご注意ください。

是非、この機会にご利用いただければ幸いです。

開催概要

花森安治(はなもり・やすじ、1911-1978)は、終戦まもない1946年3月に、大橋鎭子(おおはし・しずこ)を社長とする衣裳研究所を銀座に設立、新進の服飾評論家としてデビューしました。〈直線裁ち〉という誰もが簡単に作れる洋服を提案した『スタイル・ブック』は評判を呼びますが、かねてより計画していた生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(のちの『暮しの手帖』)を1948年9月に創刊し、その後、社名も暮しの手帖社へと変更します。

〈衣・食・住〉を基本にすえつつ、もののない時代には〈工夫とアイデア〉による豊かな暮しを提案、電化製品が普及した高度成長期には〈日用品の商品テスト〉を実施、そして食品添加物や公害問題が叫ばれた70年代には〈社会の矛盾を鋭くえぐる批評〉を誌面で展開し、ペンで権力に挑みました。30年間にわたり一切広告を入れず発行100万部に迫るまでに成長させた雑誌『暮しの手帖』を舞台に、表紙画からカット、レイアウト、新聞広告、中吊り広告まで、取材や執筆はもとより、制作から宣伝まで、すべてを手がけたのが編集長・花森安治だったのです。

本展では、花森の作品そのものともいえる『暮しの手帖』が庶民に向けて発したメッセージに、改めて耳を傾けます。戦時中の大政翼賛会での仕事にも着目しつつ、花森が全身全霊をかけて打ち込んだ出版活動を、ひとつの雑誌を超えた「運動」として捉え、多彩な仕事のなかからその思想を探ってゆきます。

戦後日本の出版文化に計り知れない影響を与えた『暮しの手帖』は、花森が他界したのちも刊行されつづけており、現在、通巻485号を数えています。21世紀を生きる私たちが今、日々の暮しに視座を据えた花森の提言に改めて心を打たれるのは、時代に左右されることのない変わらぬ想いが伝わってくるからでしょう。本展では、暮しの手帖社の全面的な協力のもと、花森安治が遺した多数の稀少資料・約750点を展覧します。

会場風景

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