大胆な筆致やフォルム、万華鏡のような華麗な色彩・・・。本展でご紹介する6人の作家はそれぞれに個性あふれ、その才能豊かな表現力には圧倒されます。しかし、この展覧会でご覧いただきたいのは、表現の多様性よりも絵画が人に対してどれだけの力を持ち得るか、あるいは「人はなぜ絵画を描くのか」という芸術の根源に関わることです。これは難しい主題ではありますが、心に鮮烈に響いてくる彼等の作品は、きっとそのことについての答えを導き出してくれるはずです。近年、障害者芸術に対する社会の関心が高まってきているものの、まだ“障害”という括りの中で語られることが多く、公平な眼で“一人の表現者”と評価されることがほとんどありません。このような状況の中、本展は障害の有無にかかわらず「才能のある人は本当に評価されるべき」といった、いわば当たり前の視点にたって企画されたものです。