第二次世界大戦後の日本において前衛芸術の出発点に位置する〈実験工房〉。短い期間ではありましたが、若い美術家や音楽家たちが集まり、協働で舞台を手掛け、発表会を行い、芸術の総合を目指しました。
ここに参加し、1970年代以降はメディアアートの先駆者として活躍した山口勝弘(1928-2018)は、2001年に病に倒れたあとも、制作を続けます。身体の動きが不自由ななか、宇宙空間や飛行について思索を巡らせ、絵筆を握りキャンバスに向かいました。短いタッチが繰り返されるカラフルな画面に向き合うと、身体に伝わる振動を感じつつ絵画が生み出されたことがわかります。
また、同じく〈実験工房〉で活動し、写真の仕事も多く遺している北代省三(1921-2001)は、1970年代以降、模型飛行機や凧の制作を行いました。特に凧は、和洋問わずにさまざまな形体を試みています。その造形的な美を求めるばかりではなく、エンジニアのように風の速度や圧力を計算しつつ精度を高めていく姿は、遊びでありつつ遊びの先に何かの真理を掴もうとしているかのようです。
本展覧会では、山口勝弘の晩年の絵画作品と北代省三の凧を中心とし、福島秀子や駒井哲郎、大辻清司ら〈実験工房〉のメンバーの制作活動の一端をご紹介します。
[コーナー展示] 追悼――矢吹申彦
昨年10月に逝去されたイラストレーターの矢吹申彦(1944-2022)の作品を、当館のコレクションよりご紹介します。
ここに参加し、1970年代以降はメディアアートの先駆者として活躍した山口勝弘(1928-2018)は、2001年に病に倒れたあとも、制作を続けます。身体の動きが不自由ななか、宇宙空間や飛行について思索を巡らせ、絵筆を握りキャンバスに向かいました。短いタッチが繰り返されるカラフルな画面に向き合うと、身体に伝わる振動を感じつつ絵画が生み出されたことがわかります。
また、同じく〈実験工房〉で活動し、写真の仕事も多く遺している北代省三(1921-2001)は、1970年代以降、模型飛行機や凧の制作を行いました。特に凧は、和洋問わずにさまざまな形体を試みています。その造形的な美を求めるばかりではなく、エンジニアのように風の速度や圧力を計算しつつ精度を高めていく姿は、遊びでありつつ遊びの先に何かの真理を掴もうとしているかのようです。
本展覧会では、山口勝弘の晩年の絵画作品と北代省三の凧を中心とし、福島秀子や駒井哲郎、大辻清司ら〈実験工房〉のメンバーの制作活動の一端をご紹介します。
[コーナー展示] 追悼――矢吹申彦
昨年10月に逝去されたイラストレーターの矢吹申彦(1944-2022)の作品を、当館のコレクションよりご紹介します。