[2024年7月3日発行]
-開催概要から-
北川民次(1894-1989)は20歳で渡米し、働きながら絵を学んだのち、革命後の壁画運動に沸く1920年代のメキシコで新進画家、そして教育者として出発しました。1936年の帰国後は東京・池袋を経て愛知・瀬戸に居を定め、晩年まで精力的に作品や著作を発表します。「メキシコから日本へ」という特異な歩みのなかで北川が見出し、追求したものとは何だったのでしょうか。
本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子どもに向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画などにも注目します。
油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920-30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる、約30年ぶりの回顧展です。
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※会期中に、水彩・版画など一部の作品の展示替えがあります。
前期:9/21(土)~10/20(日)/ 後期:10/22(火)~11/17(日)
詳細は画面を下にスクロールし、「主な作品」の出品リスト[PDF]をクリックしてご覧ください。
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●展示構成
1. 民衆へのまなざし
メキシコ時代から一貫して北川が見つめ、描いてきたのは、時代や社会情勢に翻弄されながらもたくましく生きる市井の人々の姿でした。《トラルパム霊園のお祭り》、《アメリカ婦人とメキシコ女》などをお楽しみください。
2. 壁画と社会
1920年代メキシコの「壁画運動」の熱気のなかを生きた北川は、帰国後、壁画のような壮大でメッセージ性のある作品を残しています。《タスコの祭》、《雑草の如くⅡ》など、緊密な構成の力強い作品を紹介します。
3. 幻想と象徴
北川は、どこか幻想的で象徴性をおびた作品も制作しています。戦時中に描かれた《岩山に茂る》など、ひそかに時代の流れに抗うかのような作品を紹介します。
4. 都市と機械文明
激烈な近代化に向かう社会に生きた芸術家のひとりとして、北川は機械化が進む産業の風景などにしばしば目を向けています。《砂の工場》など、機械と人間を描くダイナミックな作品を紹介します。
5. 美術教育と絵本の仕事
メキシコ時代の北川は、先住民の大人や子どもに表現の機会を与える野外美術学校の教師として活躍しました。戦時中は絵本の制作に熱中し、戦後は名古屋の動物園を舞台に美術教育に携わります。メキシコと日本それぞれの生徒の作品、メキシコの民話を題材にした『うさぎのみみはなぜながい』(福音館書店)などの絵本の原画・下絵を展示するほか、1920年代メキシコ美術界における版画表現への注目に呼応するような、北川の版画作品も紹介します。
エピローグ 再びメキシコへ
1955年、約20年ぶりのメキシコ再訪を果たした北川は、帰国後、念願の壁画制作に携わります。名古屋旧カゴメビルや、瀬戸市立図書館の壁画原画などを紹介します。
●展覧会の見どころ
1. 北川民次のまなざしの温かさを、味わう
先住民と深く交わりながら暮らしたメキシコ時代、あるいは陶器生産の活気あふれる瀬戸での日々。北川民次は、時代に翻弄されながらもたくましく生きる市井の人々とその生活を終生温かく見つめ、共感をもって描きました。壁画のような大作からごく小さな版画まで、ダイナミックな群像表現から何気ない風景画に至るまで、北川のまなざしの温かさを味わうことができます。
2. 壁画をめざして描かれた作品の力強さを、体感する
革命を経た1920年代のメキシコでは、真に民主的な社会の建設という理想を画家たちが公共建築の壁に描く壁画運動が花開きました。そこでの表現のスケールの壮大さ、またメッセージ性の強さを知る北川は、帰国後、ときに鋭い社会批判もはらむ大作を制作します。本展では、壁画にすることを念頭に描かれた北川作品の力強さを体感できるほか、戦後にようやく実現した壁画制作についても知ることができます。
3. 美術教育と絵本の仕事に込めた子どもたちへの願いを、受けとめる
メキシコで約10年間、また戦後日本でも数年間、北川は子どもたちの美術教育に携わります。絵を描くことをとおして、ひとりひとりが自由を希求する生き方をつかみとれるように、という願いがそこにはありました。戦時中の北川は、絵本制作にも取り組みます。本展では北川の生徒たちの作品や資料のほか、絵本原画や下絵によって、未来の大人である子どもに託した北川の願いを受けとめることができるでしょう。
本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子どもに向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画などにも注目します。
油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920-30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる、約30年ぶりの回顧展です。
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※会期中に、水彩・版画など一部の作品の展示替えがあります。
前期:9/21(土)~10/20(日)/ 後期:10/22(火)~11/17(日)
詳細は画面を下にスクロールし、「主な作品」の出品リスト[PDF]をクリックしてご覧ください。
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●展示構成
1. 民衆へのまなざし
メキシコ時代から一貫して北川が見つめ、描いてきたのは、時代や社会情勢に翻弄されながらもたくましく生きる市井の人々の姿でした。《トラルパム霊園のお祭り》、《アメリカ婦人とメキシコ女》などをお楽しみください。
2. 壁画と社会
1920年代メキシコの「壁画運動」の熱気のなかを生きた北川は、帰国後、壁画のような壮大でメッセージ性のある作品を残しています。《タスコの祭》、《雑草の如くⅡ》など、緊密な構成の力強い作品を紹介します。
3. 幻想と象徴
北川は、どこか幻想的で象徴性をおびた作品も制作しています。戦時中に描かれた《岩山に茂る》など、ひそかに時代の流れに抗うかのような作品を紹介します。
4. 都市と機械文明
激烈な近代化に向かう社会に生きた芸術家のひとりとして、北川は機械化が進む産業の風景などにしばしば目を向けています。《砂の工場》など、機械と人間を描くダイナミックな作品を紹介します。
5. 美術教育と絵本の仕事
メキシコ時代の北川は、先住民の大人や子どもに表現の機会を与える野外美術学校の教師として活躍しました。戦時中は絵本の制作に熱中し、戦後は名古屋の動物園を舞台に美術教育に携わります。メキシコと日本それぞれの生徒の作品、メキシコの民話を題材にした『うさぎのみみはなぜながい』(福音館書店)などの絵本の原画・下絵を展示するほか、1920年代メキシコ美術界における版画表現への注目に呼応するような、北川の版画作品も紹介します。
エピローグ 再びメキシコへ
1955年、約20年ぶりのメキシコ再訪を果たした北川は、帰国後、念願の壁画制作に携わります。名古屋旧カゴメビルや、瀬戸市立図書館の壁画原画などを紹介します。
●展覧会の見どころ
1. 北川民次のまなざしの温かさを、味わう
先住民と深く交わりながら暮らしたメキシコ時代、あるいは陶器生産の活気あふれる瀬戸での日々。北川民次は、時代に翻弄されながらもたくましく生きる市井の人々とその生活を終生温かく見つめ、共感をもって描きました。壁画のような大作からごく小さな版画まで、ダイナミックな群像表現から何気ない風景画に至るまで、北川のまなざしの温かさを味わうことができます。
2. 壁画をめざして描かれた作品の力強さを、体感する
革命を経た1920年代のメキシコでは、真に民主的な社会の建設という理想を画家たちが公共建築の壁に描く壁画運動が花開きました。そこでの表現のスケールの壮大さ、またメッセージ性の強さを知る北川は、帰国後、ときに鋭い社会批判もはらむ大作を制作します。本展では、壁画にすることを念頭に描かれた北川作品の力強さを体感できるほか、戦後にようやく実現した壁画制作についても知ることができます。
3. 美術教育と絵本の仕事に込めた子どもたちへの願いを、受けとめる
メキシコで約10年間、また戦後日本でも数年間、北川は子どもたちの美術教育に携わります。絵を描くことをとおして、ひとりひとりが自由を希求する生き方をつかみとれるように、という願いがそこにはありました。戦時中の北川は、絵本制作にも取り組みます。本展では北川の生徒たちの作品や資料のほか、絵本原画や下絵によって、未来の大人である子どもに託した北川の願いを受けとめることができるでしょう。
3500円(税込)
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