[カタログ/2013年発行]
-開催概要から-
デザインが導く未来
榮久庵憲司と、彼が率いる創造集団GKは、戦後の復興期より、数々の製品をデザインすることで、日本人の生活や都市空間の近代化の一翼を担ってきました。その領域は、日ごろ街中で目にする日用品やオートバイから、博覧会場の施設やサイン類、都市のインフラストラクチャーまでと、多岐にわたります。
榮久庵は、実家を継ぐべく僧門に入ったのち、デザインの道を志しました。その原点には、原爆で廃墟となった広島の街の光景と、進駐軍が体現していたアメリカ文化があったといいます。そして東京藝術大学在学中より、ともにデザインを学ぶ同窓生と、「ものの民主化、美の民主化」をスローガンに、当時の日本としては類のない、インダストリアルデザインを専門とするグループ、GKを結成しました。
以降、60年にわたるデザイン活動の根底に流れているのは、モダンデザインと東洋の思想の融合に加え、人が作ってきたもの=道具についての長年の研究です。人類が太古に初めて手にした道具から、未来の暮らしまでを見据えて、人と道具のあるべき関係をデザインによって提案し続けてきました。
本展覧会では、製品化されたものやその模型、将来へのプロポーザル、さらに人と自然と道具が美しく共生する世界を具現化したインスタレーション等によって、榮久庵憲司とGKが展開してきた、デザインの世界像をご紹介します。
榮久庵は、実家を継ぐべく僧門に入ったのち、デザインの道を志しました。その原点には、原爆で廃墟となった広島の街の光景と、進駐軍が体現していたアメリカ文化があったといいます。そして東京藝術大学在学中より、ともにデザインを学ぶ同窓生と、「ものの民主化、美の民主化」をスローガンに、当時の日本としては類のない、インダストリアルデザインを専門とするグループ、GKを結成しました。
以降、60年にわたるデザイン活動の根底に流れているのは、モダンデザインと東洋の思想の融合に加え、人が作ってきたもの=道具についての長年の研究です。人類が太古に初めて手にした道具から、未来の暮らしまでを見据えて、人と道具のあるべき関係をデザインによって提案し続けてきました。
本展覧会では、製品化されたものやその模型、将来へのプロポーザル、さらに人と自然と道具が美しく共生する世界を具現化したインスタレーション等によって、榮久庵憲司とGKが展開してきた、デザインの世界像をご紹介します。
目次
「ご挨拶を一言」酒井忠康
「鳳が翔く」榮久庵憲司
「鳳の志に寄せて」塩川正十郎
「榮久庵憲司さんの「レジリエンス/創成力」に魅せられて」合田周平
「都市の小道具から大道具まで―媒体のデザイン」南後由和
第1章 茶碗から都市まで
「創造集団GKの足跡―そして今日を明日に向けて」山田晃三
第2章 創造工房
第3章 道を求めて
「道具道を求めて―人と道具の共生と未来」藤本清春
第4章 美の彼岸へ
「運動としての榮久庵憲司―デザインの可能性に向かって」野田尚稔
GKの哲学
榮久庵憲司へのインタヴュー
榮久庵憲司文献再録I「道具の作法」
榮久庵憲司文献再録II「願」
年譜
出品作品リスト
奥付
執筆:酒井忠康、榮久庵憲司、塩川正十郎、合田周平、南後由和、山田晃三、藤本清春、野田尚稔、GKデザイングループ
翻訳:井上健(GKデザイン機構)、林千根、クリストファー・スティヴンズ、ロバート・リード、ジョルダン・サンド、ルイザ・ルビンファイン
編集:野田尚稔、塚田美紀(世田谷美術館)、小野寺純子、松本匡史、南条あゆみ(GKデザイン機構)
校閲:高橋賢
デザイン:木村雅彦(GKグラフィクス)
プリンティング・ディレクション:谷口倍夫(株式会社サンエムカラー)
印刷:株式会社サンエムカラー
発行:世田谷美術館
©2013 Setagaya Art Museum
2500円(税込)