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企画展(終了)
サム・フランシスは、1923年カリフォルニアに生まれました。戦後の美術の動向は、アメリカで生まれた抽象表現主義、そしてフランスに発したアンフォルメル(非定形)運動という、ともに新しい抽象絵画から出発していますが、サム・フランシスは、このふたつの大きな流れに身を置きながら、そのどちらとも異なる独特の抽象絵画を展開してきた作家です。それは、1957年に初めて日本を訪れて以来、彼を魅了してやまなかったこの国の自然・文化・美術と深い関わりがあるといえるのではないでしょうか。この展覧会は、サム・フランシスの1980年以後の作品を集め、屏風形式をとるもの等を含めた23点の大作、および水彩、版画等約30点により、この作家の華麗な色彩とダイナミズムに満ちた世界を楽しんでいただこうとするものです。
刊行物
目次ごあいさつ「魅惑の宇宙―「サム・フランシス展」の企画によせて―」小川正隆「80年代のサム・フランシス―ロビンソンはきまって麻姑(中国の仙女)の夢にあらわれる―」東野芳明図版「ヴィジョンをつたえる人―サム・フランシス展のために―」大江健三郎「徴候の狩人サム・フランシス」大岡信「宇宙夢」武満徹「宇宙船サム・フランシス号」辻井喬作品リスト年譜主要文献奥付監修:小川正隆編集:富山県立近代美術館、高輪美術館、西武美術館、滋賀県立近代美術館、大原美術館、世田谷美術館、朝日新聞社、南天子画廊制作:印象社発行:朝日新聞社 ©1988