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企画展(終了)
図工室から生まれた、新しい版画表現 吹田文明の作品は、透明感と重厚感、2つのコントラストによって目の覚めるような鮮やかな世界が広がります。油性の絵の具や、きめの粗いラワン材などが使われる斬新な作品は、木版画の発想を大きく飛躍させ、現代版画に新しい境地を切り開きました。1967(昭和42)年、吹田文明は、サンパウロ・ビエンナーレで、棟方志功、浜口陽三に続き、日本人で3人目の版画部門の最優秀賞を受賞し、国際的にも注目されます。1926(大正15)年に徳島県阿南市に生まれた吹田文明は、戦後、小学校の教師として、図工科教育の研究で、先駆的な活動を展開していきました。吹田文明の独創的な制作技法の多くは、子どもたちとの教材研究の過程で生み出されました。教育者と作家という二つの立場から版画表現と向き合うことで、吹田文明は、独特の世界を作り上げていきます。日本版画協会展で恩地賞を受賞し、スイス・グレンヘン国際色彩版画トリエンナーレ展、ノースウエスト国際版画家展などでも受賞を重ねていきました。「野の二人」、「砕ける星」などの作品による1967(昭和42)年のサンパウロ・ビエンナーレでの版画部門最優秀賞の受賞をきっかけに、作家活動に専念し、木版画の可能性に挑むスケールの大きな作品を次々と発表します。一方、吹田文明は、多摩美術大学に、日本で初めての版画科を新設し、初代科長に就任します。また、大学版画学会の会長を長年勤め、大学における版画教育の基盤を築き上げ、若い世代の版画家へ多大な影響を与えました。そして、現在は、日本美術家連盟理事長として、活躍しています。この度、現住地の世田谷美術館と、出身地の徳島県立近代美術館の2館で、これまでにない規模で、吹田文明の世界を紹介する展覧会を開催いたします。本展では、小学校教師時代の作品から、ビエンナーレ受賞作品、そして近年ますます深まる表現世界を、代表作など中心に約200点でご紹介します。これまでにない新しい表現を可能とした、独創的なアイデアの魅力や、戦後図工科教育の黎明期における教育者としての側面などにも触れながら、現代版画と美術教育の2つの領域に惜しみなく精力を注いだ作家の全貌にせまります。
ミュージアム コレクション(終了)
版画集『東京百景』は、1989年から1999年までの期間、100名の作家が、目まぐるしく変化する東京を、ひとり一点ずつ版画作品にしてまとめたものです。この版画集の企画に関わった版画家・吹田文明の作品などと併せてお楽しみください。
ミュージアム コレクション(終了)
何というわけもなく集まり、食ったり飲んだり、画いたり作ったり 第1部 「白と黒の会」の仲間たち第2部 闇と光と 吹田文明と丹阿弥丹波子「白と黒の会」は、昭和初期から世田谷に住み始めた美術家を中心とした親睦会です。日本画では小川千甕、福田豊四郎、洋画では牛島憲之、向井潤吉、須田寿、森芳雄、彫刻では本郷新、柳原義達、佐藤忠良、舟越保武らが交友を重ねました。本展では個々の表現世界を通じ、世田谷の文化醸成の揺籃期をご紹介します。また別コーナーにて吹田文明と丹阿弥丹波子の版画作品を紹介します。
イベント(終了)
身近にある様々な○を使って、スタンプ版画に挑戦!
イベント(終了)
木版画をプレス機を使って刷ってみませんか?あなたの常識を覆す方法で、いままでにない作品が出来上がります!?
イベント(終了)
戦後の日本の版画界のエピソードと作家によるトーク。独特な方法による制作の実演も行われます。
刊行物
編集・発行:世田谷美術館
刊行物
目次「不思議な懐かしさの感情」酒井忠康「吹田文明《ボン》《花と星》」小倉忠夫「吹田文明―雄渾華麗な木版画の魅力」富山秀男図版「教師時代の吹田文明と戦後の美術教育」山木朝彦「木版画の光―吹田文明の半世紀」竹内利夫「ラワン・メゾチント法の確立 絵具の変遷と表現との関係」村上由美吹田文明インタビュー略年譜文献目録作品リスト奥付編集:村上由美、石井幸彦、竹内利夫編集補助:高林夏子表紙デザイン:米村隆デザイン・制作:コギト発行:世田谷美術館 Setagaya Art Museum、徳島県立近代美術館 Tokushima Modern Art Museum ©2006
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ついにスタートしました!ジュニア向け(小学校高学年~中学生)のコンテンツ「セタビチャンネルJr.」です。第1回目は現在展示されている吹田文明先生の木版画についてのご紹介です。ジュニア向けとなっていますが、内容は本格的!なんと大物ゲストのご登場⁈ 大人の方も是非ご覧いただければと思います。今後、この「セタビチャンネルJr.」では、美術館でご覧いただける作品のご紹介や展覧会のご案内、美術館の仕事や美術のこと、いろいろな視点から広く「美術」について楽しくおもしろく、お届けする予定です。お楽しみに!セタビチャンネルJr.「世田谷美術館の展示室から① 吹田先生の木版画」(約17分)→セタビチャンネルJr.をYoutubeで見るデジタルコンテンツ「セタビチャンネルJr.」にもどる→こちら
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動画配信「世田美チャンネル」vol.15は、ミュージアム コレクションⅡ その1「吹田文明と版画集『東京百景』」の会場より、版画集『東京百景』の企画に関わり、当館に版画集をご寄贈くださった吹田文明先生へのインタビューをお届けします。今年94歳になられる吹田先生には2008年以降の作品、そして近作についてお話しいただきました。※動画は音声に字幕も付けておりますので、どなたでもお楽しみいただけます。※展示室の照明の都合により、画面が暗いですが、あらかじめご了承ください。世田美チャンネル 吹田文明先生インタビュー(約10分)→世田美チャンネルをYoutubeで見るデジタルコンテンツ「世田美チャンネル」にもどる→こちら
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今年の夏はコロナ禍で、各地の花火大会が中止となってしまいました。多摩川の花火大会も、2018年からゲリラ豪雨の時期を外して10月に行われようになりましたが、やはり今年は開催されないとのこと。ということで、花火の写真が撮れなくて残念に思っている方へ朗報です。8月29日から当館の2階展示室で始まったミュージアム コレクションⅡその1「吹田文明と版画集『東京百景』」の開催にちなみ、フォトスポットを設けました。#セタビで花火浴衣の季節は過ぎてしまいましたが… 花火の作品は、徳島県出身で、間もなく94歳を迎える現在世田谷区在住の版画家・吹田文明氏の《ボン》1967年と《江戸の花》1990年です。《ボン》は吹田氏が、1967年の第9回サンパウロ・ビエンナーレで、棟方志功、浜口陽三に続き、日本人で3人目となる版画部門最優秀賞を受賞した8点の作品のうちの一つです。《江戸の花》は、今回の展覧会のタイトルにある版画集『東京百景』に所収されている作品です。『東京百景』は1989年から1999年にかけて社団法人日本版画協会(現・一般社団法人日本版画協会)が刊行した版画集で、1年毎に10名の作家が1点ずつ東京をテーマに版画作品にしたものをまとめたもので、100名の作家の作品を50名ずつ、前期と後期に分けてご紹介しています。(吹田文明氏の作品は後期展示)各作品には、作家一人ひとりの作品についてのコメントも一緒にご紹介しているので、作品と併せて、作家の東京への思いや個性を感じていただけると思います。
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ミュージアム コレクションⅡは、全館使って当館の収蔵品を、<その1>と<その2>の全く異なる二つの切り口からご紹介しています。一般200円の観覧料で、この2つの展覧会両方をご覧いただけます。しかも、土、日、祝・休日は、小・中学生は無料でご観覧いただけます!まず、<その1>は2階展示室で開催している「吹田文明と版画集『東京百景』」です。社団法人日本版画協会(現・一般社団法人日本版画協会)が刊行した100名の作家による100点の東京をテーマにした版画作品を、前期・後期に分けてご紹介しています。併せて、この版画集の企画に関わり、当館に同版画集を寄贈くださった吹田文明氏の近作や、別コーナーにて、昭和初期の東京の風景を回顧して1945年に刊行された版画集『東京回顧圖會(とうきょうかいこずえ)』の恩地孝四郎や、川上澄生などの版画を展示しています。吹田文明と版画集『東京百景』会場風景吹田文明と版画集『東京百景」会場風景 そして、1階展示室では、<その2>として「再読‼ 5つの物語 美術が語る夢と現実」を開催しています。こちらの展覧会は、当館で2016年に開催した「コレクションの5つの物語」を再構成したものです。フランスの素朴派の画家や、柚木沙弥郎、ジャン=ミシェル・バスキアなど様々な作家の作品が並びます。「再読!! 5つの物語」会場風景「再読!! 5つの物語」会場風景当館のコレクションをたっぷりとお楽しみいただけるまたとない機会です。1階 扇形展示室1階の扇形展示室は、窓ごしの公園の風景をご覧いただけます。こちらは撮影可能です。晩夏から秋へと移ろいゆく季節の変化をゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。