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企画展(終了)
いま、問い直さなくてはならない戦後20年間の出来事 1945年の太平洋戦争の終結から1964年の東京オリンピック大会開催までの20年弱の期間で、日本社会は劇的な変動を経験し、写真界もまた活発な展開の中で新たな表現を模索しました。激動の時代の中で、ドキュメンタリー写真は、敗戦直後の破壊と荒廃の悲惨さに向けていた視線を、次第に、時代を生き抜く人間の意思へと転じ、焦点を合わせていくことになりました。1950年代中頃まで、日本は伝統と近代化という矛盾に満ちた岐路に立たされていましたが、すぐれた才能のある写真家たちは、その時代の都市と地方の様相を不朽のイメージとしてとらえていきました。やがて経済的にも自立し復興の気配がみえるにつれて、写真もまた新しい可能性を求めて、さまざまな表現が試みられました。本展は、戦後日本の写真界を代表する石元泰博、川田喜久治、木村伊兵衛、田沼武能、東松照明、土門拳、長野重一、奈良原一高、濱谷浩、林忠彦、細江英公がとらえた作品から、写真の作品的な価値とその表現する内容が、いかに時代をよくとらえたかという観点で精選した170点のモノクロ作品で展観致します。本展は、世界に初めて紹介される戦後日本写真についての広範な考察であり、社会的な大変動に際して、日本人がいかに民俗としての強靭さと深い芸術的な才能を見せたかへのオマージュでもあります。
イベント(終了)
過去の我々を映し出す展示空間に、不意に表れ、踊る4つの身体。過去と現在の断裂と連続が、「身体」をキーワードに浮かび上がります。カナダで活躍する注目のダンサー、服部有吉が演出・出演、コンテンポラリーとストリートの気鋭のダンサーたちも登場。
イベント(終了)
1955(昭和30)年に写真雑誌『フォトアート』(研光社)の創刊6周年を記念し、読者向けにプロカメラマンたちの撮影風景を紹介し、写真撮影に親しんでもらおうと制作された映画。出演:木村伊兵衛、三木 淳、大竹省二、秋山庄太郎、林 忠彦、真継不ニ夫、早田雄二、濱谷 浩、稲村隆正、渡辺義雄、田村 茂、土門 拳監督:勅使河原宏企画:亀倉雄策製作:永井嘉一1955年/日本/49分*DVDによる上映
刊行物
目次ごあいさつ「太陽を凝視する」マーク・フューステル写真図版1 敗戦の余波2 伝統と近代のはざまで3 新しい日本へ「写真家紹介聞取り帖」高橋直裕「略歴・展覧会歴・文献」編:副田一穂、中村史子作品一覧奥付企画:Marc Feustel、Helen Feustel構成:酒井忠康、杉山悦子、遠藤望、高橋直裕、牧野研一郎、古田浩俊、中村史子編集:多田亞生執筆:Marc Feustel、高橋直裕、中村史子、副田一穂、黒川祐衣デザイン:太田徹也制作:岩原靖之翻訳:佐藤正子、Linda Hoaglund印刷:凸版印刷株式会社発行:クレヴィス2009年5月2日 第一刷発行
ブログ
「新たな視点が捉えた日本の戦後」ゲスト:マーク・フューステル(日本写真史研究家) 多田亞生(ただつぐお、岩波書店編集者、本展図録編集)ナビゲータ:高橋直裕(本展担当学芸員)「日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964」展は、1冊の写真集『日本の自画像』(岩波書店、2004年)がきっかけとなって、5年ののち実現の運びとなりました。その写真集を編纂したマーク・フューステル氏と多田亞生氏をお招きし、展覧会開催に至るまでの経緯などについてお話をうがかいました。※セタビPodcastingについて