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企画展(終了)
脇田和(1908−)は、昭和の洋画檀において、私的な詩情に満ちた世界を築き、高い評価を得てきました。おおげさな言動を嫌うこの画家は、アトリエで遊ぶ子どもたちや、庭を訪れる野鳥、木の葉など、常に自らの身近にある小さきものたちに暖かなまなざしを注ぎ、彼らと対話を交わしてきました。一方、戦後世田谷・代田にアトリエを構えて以来、故人美術館を軽井沢に設立するに至るまで、脇田は自らの作品が生まれ、住まう空間としての建築にも並々ならぬこだわりをもってきたといえます。 本展では、脇田和の画業の基点となったドイツ時代、新制作派協会創立時代、戦後の国際的な評価と活動など、まず脇田の画業の歴史的跡づけを試みます。同時に、軽井沢およびハワイのアトリエにおける自然との交流が生んだ作品群、また布や紙のコレクションから生まれたコラージュ作品、そして旺盛な創作を続けるこの画家の最新作を展示します。 加えて、建築家吉村順三、伊丹潤、仙田満らの代表作とも数えられる脇田和のアトリエ建築を小コーナーで紹介します。
刊行物
目次「全く詩的な断想」大島清次図版/Plates脇田和のアトリエ建築と美術館「脇田和 画家とその時代」遠藤望「年譜」編:石嶋亜季子、遠藤望「文献目録」編:石嶋亜季子出品作品リスト/List of Works奥付企画構成:世田谷美術館編集:遠藤望、杉山悦子(世田谷美術館)編集協力:石嶋亜季子(脇田美術館)デザイン:米村隆制作:コギト発行:世田谷美術館 ©2002