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刊行物

『信仰と詩心の彫刻六十年 舟越保武の世界』

[カタログ/1993年発行]

-開催概要から-

長崎の街を見晴らす高台で、天空を仰ぎ見るように並ぶ「長崎26殉教者記念像」をご存じの方も多いと思います。この作品は、舟越保武が制作した数多くある野外作品のひとつです。
 舟越保武は、ロダンの影響を受けた萩原守衛、高村光太郎らが切り開いた近代彫刻の意志を継承し、これを成熟させてきた作家の一人であり、現代の具象彫刻界を代表する作家であります。カソリックを深く信仰する舟越は、聖人や聖女を、多くの作品においてモティーフとしており、そこには彼の敬虔な祈りと、独特な澄明な詩心がこめられているようです。
 また舟越は日本における本格的な大理石彫刻の開拓者であり、それは彼ならではの流麗で透明感あふれる表現になり得ており、卓越した技量と業績はここでも確実に示されています。
 本展では、60年におよぶその芸術の軌跡を、初期の作品である昭和8年の「N君」から現代に至るまでの彫刻およそ80点と、素描50数点によって回顧するものであります。

目次

「舟越保武―人と芸術」匠秀夫

「舟越保武と石彫」毛利伊知郎

「舟越保武のエッセーと彫刻」舟木力英

「舟越保武・表現と正面性」橋本善八

「新たな創造の始まり―左手の作品について」守田均

図版

「武さん」佐藤忠良

「孤独な芸術家・舟越」柳原義達

「「朔太郎像」のこと」荻原葉子

「聖なるもの」遠藤周作

作家のことば

舟越保武年譜

舟越保武主要屋外設置作品

舟越保武文献目録

出品目録



奥付

監修:匠秀夫

編集:

舟越保武展実行委員会

舟木力英(茨城県近代美術館)

酒井哲郎(三重県立美術館)

毛利伊知郎(三重県立美術館)

芳野明(宮城県美術館)

橋本善八(世田谷美術館)

佐々木一成(岩手県教育委員会事務局文化課)

撮影:

5×7スタジオ 大谷一郎(彫刻)

高瀬良夫(素描)但し82、83、116を除く

制作:印象社

発行:舟越保武展実行委員会©1993

美術館連絡協議会、読売新聞社

企画協力:空間造形コンサルタント

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