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セタビブログ

2021.10.23

世田谷美術館美術大学通信講座②「自宅で毎日3分クロッキー」その15〈似ている?似ていない?〉

三宅一樹:クロッキー《愛猫寝息》 ボールペン

三宅一樹:クロッキー《愛猫寝息》 ボールペン

世田谷美術館では開館以来「美術大学」という約7か月に及ぶ長期講座を開講しています。新型コロナウイルス感染症拡大抑制のため、開催中止となった今年は、このブログを通して「通信講座」をお送りしています。

今回は、絵を描いている中で、恐らく、多くの方が気になってしまう「上手・下手」また「似ている・似ていない」ということについて、お話いただきました。
聞き手は当館普及担当の東谷です。

自宅で毎日3分クロッキー 第15回(約17分)

→「自宅で毎日3分クロッキー」をYoutubeで見る

次回は皆さんの作品をご紹介させていただきたいと思います。そのために新たに描くのではなく、クロッキーを続けてきた中で、ご自分のクロッキー帳を見直し、凝縮された厳選の1枚をコメントと共にお送りいただければと思います。また質問などもお待ちしています。(動画内で全部をご紹介はできないと思いますので、ご了承お願いします)。

作品をお送りいただける方は、【10月31日(日)まで】に以下から参加者登録をお願いいたします。募集詳細は登録者の方にメールで直接お送りいたします。携帯電話でドメイン指定受信を設定されている場合は美術館からのメールを受け取れるように設定をお願いいたします。
→登録はこちら

三宅一樹:左手によるクロッキー《A氏》 ボールペン

三宅一樹:左手によるクロッキー《A氏》 ボールペン

人物クロッキーの場合は特に、ついモデルに“似せよう”としてしまいますので注意が必要です。
そのような時、“利き腕ではない手”にペンを持って描いて見ると、思わぬ発見が得られます。
思い通りにペンが運びづらいことが幸いして、細部の表情よりも大きな要素に眼が向くのです。
クロッキーは小手先の技術ではなく、“ものを捉える眼”の技術であることに気がつきます。

三宅一樹:クロッキー《closing project…

三宅一樹:クロッキー《closing project》 鉛筆

2020年8月末、世田谷美術館「作品のない展示室」のクロージング・プロジェクト「明日の美術館をひらくために」と題されたパフォーマンスに、観客として参加させていただきました。
美術館という空間が“呼吸している”ことを肌で感じられた経験でした。
その時、彫刻家である私の眼は何を捉えることができるだろうかと考えました。ひねり出したその答えは、ただその場を共有しながらクロッキーをすることだけでした。
空間を味わうように極めてゆっくりと移動するダンサーの呼吸とシンクロナイズするように鉛筆を運びました。


講師プロフィール
三宅 一樹(みやけ いっき)
彫刻家。1973年東京生まれ。多摩美術大学大学院博士後期過程修了、博士号取得。2003年より、世田谷美術館美術大学でデッサン・木彫などの講師を担当。
近年の個展:2016年TINA KENG GALLERY(台北)、2018年アートフェア東京(日動画廊ブース)、2019年壺中居(日本橋) など

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C.A

投稿者:C.A

2021.10.23 - 11:00 AM