2021.08.27
「プロムナード・コンサート」について:近年開催されたコンサートの概要報告を中心に(1)
中島英寿氏/ ピアノ(第260回プロムナード・コンサート、…
当館では1986 年の開館以来、美術に限らず幅広い芸術の交わりに着目し、さまざまなイベントを行ってきました。世田谷美術館のプロムナード・コンサートも、その一環で開催されている長寿企画のひとつです。
初代館長 大島清次の発案により、その開催趣旨は若手を中心とする才能に恵まれた優秀な演奏家の方々に美術館の講堂にあるステージを演奏の場として活用してもらうこと、また世田谷区民を中心とするお客様に、本格的な音楽コンサートに気軽に参加してもらうことになりました。以来、その方針は受け継がれています。そして開催当初から長年、音楽評論家の丹羽正明先生に企画協力者としてご尽力を賜っています。
近年、年間5回あまりの頻度で開催してきたプロムナード・コンサートですが、現在はその開催回数を大幅に減らさねばならぬなかなかの正念場です!そのため、近年に開催されたプロムナード・コンサートの多種多様な公演内容の一端をご紹介するべく、記録写真を交えてのごく簡単なご報告を本ブログで計4回に分けてお伝えして参ります。美術館で行われる音楽コンサートの様子を、垣間見ていただけましたら幸いです。
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今日から遡ること30年余り。記念すべき第1回目のプロムナード・コンサート(1987年)にご出演をいただいたのは、世界の第一線で活躍するピアニスト・小川典子氏(現在、世界各国での演奏旅行とともに、東京音楽大学特任教授および英国ギルドホール音楽院教授をお務めであり、そのほかにも国際的なコンクールでの審査員、各国でのマスタークラスなど多彩な活動を展開なさっておられます)です。
その後、国内でもトップクラスの、若手を中心とする演奏家たちをお迎えしてのコンサート開催が今日まで続き、昨春 3 月までに企画準備されたプロムナード・コンサートは通算で 266 回を数えます。
※第263回と第264回公演は新型コロナウイルスの影響により中止となりました。
コロナ禍にあった昨年度もコンサートを2度実施したほか、美術館が長年取り組んできた音楽コンサートの様子を少しでも多くの方にお伝えできればとの思いから、ポッドキャストによる音声コンテンツを作成し、公演日の後日に配信を行いました。
当館プロムナード・コンサートの公演時間は、およそ 1 時間 40 分。定員 140 名で毎回、往復ハガキによる応募で事前抽選を実施しています。従来の公演では合間に 15 分間休憩を 1 度入れていましたが、現在は新型コロナウイルス感染症対策のため、2 度の 10 分間休憩を実施し、講堂室内の換気を行っています。また現在、関係者を除くご来場者様には原則、指定席をご案内しています。
音楽コンサートを館内の施設で定期的に開催している美術館は今日、年々減少傾向にあるとも聞きます。しかし、音楽はコロナ禍にあって、わたしたちの内面と日々の生活に一層の潤いをもたらし、近隣地域を中心とする社会と美術館がつながるための円滑油になっているように思います。
「「プロムナード・コンサート」について:近年開催されたコンサートの概要報告を中心に」は今後もシリーズでお伝えいたします。
第2回は本コンサートのあり方や裏側についてご紹介します。
●中島英寿氏プロフィールと、コンサート開催時(2019年)の演奏プログラムはこちら
第260回 プロムナード・コンサート 中島英寿 ピアノ・リサイタル●過去のプロムナード・コンサート開催一覧はこちら
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Y.Y
投稿者:Y.Y
2021.08.27 - 02:55 PM