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カテゴリー:写真家・濱谷浩


「生誕100年 写真家・濱谷浩」展関連100円ワークショップで、この日、この時のワンショットを思い出に


「生誕100年 写真家・濱谷浩―もし写真に言葉があるとしたら」展の会期中の毎週土曜日、午後1時から3時まで、美術館の地下の創作室では、その日の思い出となる記念写真を撮影する<100円ワークショップ 「2015年○月○日のポートレート」>を開催しています。 

展覧会では、濱谷浩の仕事を1930年代から1960年代のモノクロームの写真に絞って紹介しているので、今回のワークショップでも、写真はあえてモノクロにしています。

 撮影は、美術館スタッフが行うので、参加者は、まず撮ってもらいたい位置や、ポーズ、構図などを考えて、企画書に記入します。その企画書に従ってスタッフがデジタルカメラで撮影します。参加者はスタッフと一緒にカメラで画像を確認しながら、写真を撮ってもらいます。出来上がった写真はマグネットに加工され、撮影した日付などを記入した台紙とともに、記念に持って帰ることができます。

 参加者のなかには、家族全員の手を一画面におさめる方や、お母さん、お父さん、お祖父さん、それぞれが、赤ちゃんとツーショットの写真を撮られる方など、家族の記念を意識されている方もいらっしゃいました。それぞれの記念となる1枚、是非、この日、この時のメモリアルな瞬間を家に戻られても楽しんでいただければと思います。


まもなく「生誕100年 写真家・濱谷浩」展が開幕します。


濱谷浩(はまや・ひろし)という写真家をご存じでしょうか。1999年に83歳で亡くなった濱谷は、1960年代から各国のグラフ誌に掲載されるなど、国際的に評価されていました。

生まれた場所が、下谷区車坂(上野)と聞くと、世田谷美術館ファンの方は「あれっ!」と思うかもしれません。そうです。昨年当館で展覧会を開催した桑原甲子雄と家が隣で、幼馴染だったのです。戦争を挟み、晩年まで深い信頼関係で結ばれた二人でしたが、その写真の世界はまったく違います。「生誕100年 写真家・濱谷浩」展では、この濱谷浩の活動の前半となる、1960年代までのモノクロームの作品をご紹介します。

さて、展覧会チラシは、メインとなる作品を濱谷の写真集『裏日本』から選び、2ヴァージョン作成しました。《苗代》と《稲刈り》です。当時のそれぞれの地域ではなにげない日常の光景のはずなのですが、対象に向けられた濱谷の視点に力強いストレートなメッセージを感じることができます。

ぜひ展覧会場でご覧ください。


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