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カテゴリー:学校との連携
出張授業では子どもたちに作品(カラーコピー)をよく観てもらいます。
例えば、ルイ・ヴィヴァン作の≪ムーラン・ルージュ≫を子どもたちに見せて「この季節はなんだと思う?」と質問します。「秋!」「冬!」「秋か冬!」子どもたちは大きな声で口ぐちに答えてくれます。「なんでそう思うの?」「だって木に葉っぱがないんだもの!」
このような「描かれているもの」をちゃんと観て、想像する作業をしばらく続けていくと、授業者側も予期していない子どもたちの視点に出会います。
「後ろの緑がとてもきれいです」と顔を赤らめながら一生懸命話してくれた女の子の観た絵はアンドレ・ボーシャン作の≪ばら色の衣装をつけた二人の踊り子≫でした。中央に大きく描かれているのは踊り子なのに、彼女は後ろに描かれた緑に注目していました。
10月に入り、区内の小学校で、当館のコレクションを教材にした「出張授業」が始まりました。
インターン生は7月から勉強会で授業案を練り続け、授業日の1週間ほど前に先生と打ち合わせをして教材を作り、この日を迎えます。
当日は授業時間より少し早めに小学校に着き、絵のコピーを黒板に貼ったり、プロジェクターを準備したり、図工室で子どもたちを迎える用意をしています。チャイムが鳴り、廊下から子どもたちの賑やかな声と足音が聞こえてくる数分前は、スタッフもみなどことなく緊張してピンとした空気がはりつめています。
世田谷美術館を代表する収蔵作品のひとつは「素朴派」です。
現在、市川市芳澤ガーデンギャラリーにて、世田谷美術館コレクション展「アンリ・ルソーと素朴な画家たち」(7月23日(土)~9月19日(月・祝))という展覧会が開催されています。
小学校へインターン生が出向いて行う出張授業は、その展示されている作品から考案します。(前回のセタビブログ2011.7.15.をご覧下さい。)
展覧会初日に、インターン生の皆さんと一緒に展覧会を観に行ってきました。
午後1時だったので、陽の高く上る時間帯…、と覚悟していましたが、涼しい風が吹く過ごしやすい午後でした。
緑の庭に囲まれたそのギャラリーには、植物のカーテンを通してやわらかな自然光が入ってきていました。
インターン生たちにとっては初めての本物の作品との出会いの日でしたので、各自のペースでゆっくり、そしてじっくりみてもらうことにしました。
こじんまりとした展示室は2部屋に区切られており、39点の作品が、小学生でも観やすい高さで、心地よい間隔をあけながら展示されていました。40分ほどたった後、い草の香りいっぱいの和室をお借りして、作品を観た感想を聞くことにしました。
「本物の作品をみてどうでしたか?」
世田谷美術館では1996年から小学校の「美術鑑賞教室」(詳しくはセタビブログ2011.5.27を見て下さい。)をより充実させるために東京学芸大学の学生をインターン生として受け入れています。
今年は9名がインターン実習に参加しています。
彼ら、彼女らの大学での研究内容は、文化財や社会など多様です。
インターン生は4月から12月までの半年以上、週に一度、美術館に来て勉強会をしています。
今年は7月から美術館自体が休館になるため、10月から12月の間に当館を代表する作品である素朴派の授業をおこなうことになりました。
小学生に授業をする前に、子どもたちとの触れ合いを体験してもらうため、今年はインターン生も、休館前の6月までおこなっていた美術鑑賞教室に参加しています。子どもたちがグループに分かれ、美術館鑑賞をする際に、一緒に回る役を任せています。
日常生活で小学生と出会うことのない学生は、最初のうち、子どもたちの反応に戸惑うこともあったと思います。しかし積極的に子どもたちと触れ合うことでだんだんと、その戸惑いの理由がわかるようになったり、それぞれがもっていた不安が楽しみに変わったりしていきました。
世田谷美術館では、25年前の開館以来、区内の小中学生を大勢迎えてきました。
区立の小学校は64校ありますが、4年生になると、全員が「鑑賞教室」という授業の一環で、世田谷美術館を訪れています。
今年は世田谷美術館が7月から工事休館になることから、5月10日から6月末までの期間をフルに活用して全校を受け入れています。
世田谷美術館では400名を超える方が、鑑賞ボランティアとして登録されており、それぞれ都合のつく日に子供たちのために時間をつくり、数名単位のグループを引率して館内を巡ります。
あれこれと言葉をかわしながら、作品を観たり、建築を楽しんだり、美術館の庭に点在する彫刻を観て歩くなど、まるごと美術館を楽しんでいるのです。
5月某日。その朝も子供たちがやってきました。あいにくの雨。
2階展示室で開催している「イタリアの部屋でみる夢」を中心に鑑賞が始まりました。
グループに寄り添って、子供たちの会話を聴きとっていると・・・
世田谷美術館では世田谷区の公立の小学校に開催中の展覧会に関連した出張授業をおこなっています。授業案を考え実施してくれるのは東京学芸大学のインターンの学生です。毎週水曜日夕方に美術館に集まり、子どもたちにどんな授業をしようかなぁ、と一生懸命に考えています。美術館に来た時に作品に興味をもってもらえることを第一にしています。
今おこなっている授業の題材は9月5日まで当館2Fで展示中の建畠覚造さんのマケットと作品です。
今回は「新作CLOUDを作ろう」「マケットをグループ分けしてみよう」など、作品の形に注目し、制作や鑑賞をとりいれた授業案が考え出されました。
小学校に行って、子どもたちに出会うと、そのあふれでるような発想力や思いがけない視点に驚かされ、感動することが多いです。
子どもたちの視点の先には《核》(撮影:上野則宏)のマケット(1956年頃 合成樹脂 / 写真参照)が「目」に見えたり、「扇風機」に見えたり、「風車」に見えたり…。子どもたちの作品をみる視点は豊かでとても勉強になります。
子どもたちが囲んでいるカードは10枚。何でしょうか?
これは、現在展示中の建畠覚造の彫刻マケット(模型)のカードです。実は当館のインターンである大学生の手作り。「似た者同士でグループ分けできるかな?」という学生の問いかけのもと、「もこもこしたもの、トゲトゲしたもの。あと、成長しそうなもの」とか、「雲っぽいのと傘みたいなのは“お天気シリーズ”でまとめようか」などなど、たくさんの分類アイディアを出す子どもたち。当館で14年前から続いている、区内の小学校への出張授業「特別プログラム」の一こまです。
現在2階の展示室で開催中の収蔵品展「和のいろ・かたち-日本画と工芸作品を中心に」では、世田谷ゆかりの工芸家、友禅の人間国宝・山田貢の着物などが展示されています。
先日、区内の小学校4年生が鑑賞教室で、この展覧会を鑑賞しました。
この学校では、美術館に来館する前に、山田貢の着物がどのようにして作られたのかを知る授業を美術館スタッフが出張して行いました。
それは1時間ほどの短い授業でしたが、こどもたちは、山田貢の制作の様子を撮った写真を見ながら、いかに様々な工程を経て1枚の着物が出来上がっていくのかを学んだあと、山田貢の友禅の特徴のひとつである、糸目友禅(いとめゆうぜん)の糊置(のりおき)を体験をしました。
皆さんは作品一点鑑賞するのにどのくらいの時間を費やしますか?
作品にもよるとは思いますが、数分かけて、あるいは1時間以上かけて鑑賞するということはあまりないのではないでしょうか。
さて、当館の2階の展示室に現在展示中のニコル・ダイワイル作≪無題≫(年代不詳)をじっくり見てみようという内容の授業を、世田谷区立用賀小学校で行いました。用賀小学校は、来週当館に来て二コル・ダイワイル氏の作品をはじめ、その他様々な作家の作品を鑑賞することになっています。
平成20年度第1期収蔵品展、「物語が聞こえるーぼくたちのお気に入り」が昨日(6月27日)より始まりました。もうすぐ夏休みということもあり、この展覧会では当館の収蔵品の中で特に子どもたちに人気のある作品ばかりを展示しています。
はて、どういう作品が子どもに人気があるのか? それは理屈ではありません。この10年間、70,000人にのぼる子どもたちを案内してきた当館のボランティア/鑑賞リーダーたちが実際の経験から作品を選んだのです。特に会話のはずんだ作品、子どもたちから様々なお話を聞けた作品です。
この写真は、昨日おこなわれた鑑賞リーダーのための鑑賞会の様子です。皆さん、それぞれの作品に子どもたちとのすてきな思い出がたくさんつまっていて、「この作品でこんなことを言った子がいた」、「この作品では、こんな発見をした子がいた」などなど、とても盛り上がりました。つまり「子どもたちのお気に入り」は、「鑑賞リーダーのお気に入り」でもあるんですね。
来週からは、区立の小学校の鑑賞教室も始まります。また新しいお話が、子どもたちから聞けるのを楽しみにしています。
さて、8月です。夏真っ盛りです。美術館には、毎日、宿題をかかえた中学生たちが来ています。彼らは、世田谷区中学校美術鑑賞教室の子供たちです。夏休み期間は鑑賞リーダー(美術館ボランティア)が美術館に常駐し、彼らの案内をおこなっています。
ちょっと人聞きが悪いのですが、内輪ではこの夏休みの活動を「ナンパ」と称しています。中学生ともなると恥ずかしいのか、面倒くさいのか、声をかけても「結構です」と無碍に断られたり、無視されてしまうことも。それでも懲りずに、興味を引くように声をかけるのがナンパと呼ばれるようになった理由です。もちろん、しつこくするのはご法度。これもナンパの仁義です。
見たいように見ればいい、声をかけるなんて、押し付けがましいじゃないか!・・・ごもっともです。しかし、前にこんなことがありました。開館時間の10時を3分過ぎた頃に、エントランスのあたりに中学生たちがいるのを見かけ、展示室の中で待っていたのですが、一向に来る気配がない。すると横にいた監視さんが一言、「あの子達、10時丁度にはいって、もう見終わって出たんです」・・・・。いくらなんでも、それではもったいない。せめて、10分くらいは展覧会を見てくれなければ、宿題だって書けるわけもない。そうして始まったのがナンパ式のご案内です。
鑑賞リーダーは9月2日まで、10時~16時、毎日展示室におります。怪しまないで、宿題の質問など、どしどし声をかけてください。
区内の小学校4年生が世田谷美術館の展覧会を見学する恒例の鑑賞教室が「青山二郎の眼」展でもはじまりました。そして美術館に来て見学する前に、インターンの学生さんが、展覧会をより楽しく見てもらうために事前に学校で行う出張授業も同時平行でスタートしました。偶然にできる滲みの面白さを味わう授業や器の模様に注目した授業など、今回は4つのタイプの事前授業が行われます。今日の上北沢小学校で行った授業は、自分たちのお気に入りのものを教室に展示して、みんなで友達のお気に入りを鑑賞する1日限りの展覧会を開く授業でした。青山二郎は骨董がお気に入りでしたが、4年生の児童のお気に入りとはいったいどんなものだと思いますか?
ということで、来る6月3日(日)14:00より世田谷美術館講堂にて「子どもたちはどこから来てどこへ行くのか~チルドレンズ・ミュージアムをつくろう~」と題するミュージアム・トークイベントが行われます。出演は目黒実さん(九州大学特任教授・篠山チルドレンズミュージアム副館長)と大月ヒロコさん(ミュージアム・エデュケーション・プランナー)。日本のチルドレンズ・ミュージアムのさきがけ的存在でもあるお二人による講演と対談です。特にこの分野に関心をおもちの方には必聴の内容。子どもから大人まで
楽しく集えて学びあえるチルドレンズ・ミュージアムの魅力について熱く語っていただきます。参加費は無料。定員は180名で事前申込は不要です。直接会場にお越し下さい。なお、満席になり次第締切らせていただきますので、お早めにお運び下さいませ!開場は13:30で~す。