Ars cum natura ad salutem conspirat

彫刻の健康診断


世田谷美術館には、建物内部だけでなく、美術館の周りの芝生の上などにも彫刻が設置されています。その作品たちは、時に、風に吹かれ、雨に降られ、そして、真夏の日差しにさらされ、雪の冷たさにも耐えています。そのような過酷な状態の中でも毎日健気に、己の勤めを全うしているのです。

とはいえ、たとえブロンズ製であろうと、コーティングされていようと、保存状況が悪ければ、作品は確実に傷みます。そこで、世田谷美術館では、二年に一回屋外彫刻のメンテナンスを専門家にお願いしています。


屋外彫刻のメンテナンスとは、野外に設置された作品の保全が目的です。ですから、大掛かりな修繕を行うものではありません。作品の劣化や異変を招かないような措置がとられます。健康診断のようなものですね。


まず、作品についた汚れを拭って、そして作品の色に合わせて調合したワックスをかけます。土や芝生、樹木の葉に囲まれている場合は、彫刻の周りの土を掘り、芝生をカットし、木の枝を整えたりします。


二日間の作業のおかげで、作品は再び笑顔を取り戻しました。いつも元気な世田谷美術館であるために、彫刻さんたちの健康も大事にしていきたいですね。


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