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みなさんは美術館でよく目を使うと思います。
絵を観たり、彫刻を観たり…。
手を使う人もいるでしょうか?
ご存知の通り、ほとんどの美術館では展示物を触ることはできません。
では、目の見えない人はどうしたらよいのでしょうか。
今、日本も含めて様々な国で、様々な人が、目の見えない人も一緒に美術を楽しめるようになるにはどうしたらよいだろうかと一生懸命研究しています。
フランスのルーブル美術館では、触ってよむ絵本(触察本)を作成しています。その1冊はヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)に関する絵本で、目が見えない人もわかるように点字と絵のレリーフが施されています。
この触って読む本は、当館で2006年に開催した「ミュージアム・セッション」にて紹介され、当館に寄贈されました。
「これは必ず(目の見える)子どもたちに紹介することにしているのよ。」
ある日、ボランティアさんは愛おしそうな表情で微笑みながら、私にそう話してくれました。フランスからはるばるやってきたその絵本は、今や私たちにとってかけがえのない存在となっています。
ささやかながら、何かお役に立てればという思いで、それに日本語を添えることにしました。
子どもたちの絵本に触れる楽しみが、少しでも増えると幸いです。
(この触察本はルーブル美術館に著作権があります。当館では販売等による利益目的は一切なく、あくまでも教育普及の観点から、翻訳冊子を作成致しました。)
写真:左はルーブル美術館出版のもの。右はコピーさせていただき、日本語を添えたもの。