Ars cum natura ad salutem conspirat

拡大

拡大

ライブラリーを彩るモノたち


世田谷美術館のアートライブラリーには意外にもおもしろいものがあります。今日はそのうちのいくつかをご紹介します。


 まず、立派なひげを蓄えて堂々と入口に立っている長身のおじさま。どこかチャーミングな彼は、アンリ・ルソー(1844-1910)の描いた《フリュマンス・ビッシュの肖像》(当館蔵)です。実際の身長182cmに合わせて等身大となっています。ライブラリーをご利用いただく皆さまのお手荷物について、ロッカーを案内してくれています。彼について詳しくお知りになりたい方は、ライブラリーで『世田谷美術館 紀要 第9号』掲載、遠藤学芸員の「アンリ・ルソー《フュルマンス・ビッシュの肖像》」をぜひご覧ください。

入室して左手の書棚の上には、ロータス・メッゲンドルファー(1847-1925)のしかけ絵本「The City Park」。メッゲンドルファーといえば、巨匠と言われるほど、しかけ絵本で有名な作家でファンだという方も多いのではないでしょうか。開くと屏風のように広がるこちらの絵本は、ページが立ち上がり、様々な形で物語を楽しむことができる美しく魅力的な1冊です。


そして、閲覧席の壁には、奈良美智(1959-)《OH! MY GOD! I MISS YOU.》が仲間入りしました。近づいてじ~っくり見てみてください。白く塗られた背景の左下…何か見つかりませんか?田…谷…美…そう、「世田谷美術館」の文字が!実はこの作品、大変嬉しいことに、1998年に当館で行われた「時代の体温ART/DOMESTIC」展のB2ポスターの上に描かれているのです。


今回ご紹介したものは、ほんの一部。ライブラリーには、思わず笑顔になってしまうような美術や本に関わるおもしろいものがあるのです。時には、書棚以外にも目を向けてみてください。みんなで「会いにきて」と待っています。


Copyright Setagaya Art Museum. All Rights Reserved.