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スタイケン写真展で、『ヴォーグ』歴史のページをめくってみませんか


現在開催中の「エドワード・スタイケン写真展 モダン・エイジの光と影 1923-1937」。チラシやポスターのデザインをご覧頂くと、美しいレース越しに射抜くような眼光を放つグロリア・スワンソンのまなざしの傍ら、英語で記されたタイトルが目に入るのではないでしょうか―「Edward Steichen in High Fashion(エドワード・スタイケン・イン・ハイ・ファッション)」。

雑誌『ヴォーグ』と『ヴァニティ・フェア』を出版するコンデ・ナスト社の主任写真家として活躍した15年間、二つの大戦間期のアメリカに差した光と影を、その作品の隅々にまで色濃く滲ませたエドワード・スタイケン。時代をうつすメディアである雑誌を舞台に、既に芸術写真家として名を馳せていたスタイケンが、時の流れを敏感にキャッチし独自のスタイルを展開していくさまが凝縮された企画展です。今回の展覧会の見どころのひとつはしかしながら、この英語のタイトルが示すように、シャネルやスキャパレリ、(リュシアン・)ルロンなど一流のクチュリエたちが活躍した、当時のファッション写真です。


会場で実際のプリント作品をご覧頂けば、衣服のフォルムを最大限に生かした大胆な構図やモデルのポージング、ライティングの妙、素材感やディテールまでもが目に迫り、ファッション写真を新しい境地へと導いたスタイケンの魅力を存分にお楽しみ頂けることでしょう。


さて、これらの写真はいま、額装され、展示室の壁を華やかに彩っています。しかしこれらがもともと雑誌のために撮影されたものであるならば、実際に誌面ではどのように扱われ、掲載されていたのか、興味が湧く方も多いのではないでしょうか。


そんな方のために、今回展示室では特別に、「ヴォーグ・アーカイヴ」閲覧コーナーをご用意しています。こちら、『ヴォーグ』誌(米国版)を、1892年の創刊より最新号まで、表紙や記事内容はもちろん広告欄までも、全ページの記事と写真をPC上の画像で閲覧できるオンライン・アーカイヴです。たとえば「1924年5月1日号」をピンポイントで指定して、その号の全ページを表示することはもちろん、すべての記事や画像が細かくタグ付けされているので、写真家名やデザイナー名、衣服の素材やタイプなどから、使い手の目的に合わせ様々な方法で検索閲覧することが可能です。


検索入力や画面表示はすべて英語になりますが、最も簡単な方法として、ログイン後の画面左上「BROWSE ALL ISSUES(=すべての巻号を見る)」をクリックしてみましょう。たとえば1920年代から1930年代のお好きな号を選択し、画面に誌面を表示してみれば、会場でご覧になった写真の数々がどのようにレイアウトされていたのか、また当時主流であったイラストレーションによる装幀がいかにして写真中心のものへと移行していったのかなど、目でみて実感することができるはずです。


プリント作品で、今も色褪せぬ写真そのものの魅力を発見することに加え、「ヴォーグ・アーカイヴ」で当時の情報発信の担い手がいかにそれらを扱い、どのようなかたちで読者が受け取っていたのかまでも検証できる、貴重な機会です。展覧会の楽しみや理解を一歩、踏み込んだものにするために、ぜひ会場に足を運んでお試しください。


※「VOGUE ARCHIVE(ヴォーグ・アーカイヴ)」は本来有料のコンテンツですが、今回は株式会社WGSNのご協力により、会場内での無料閲覧が実現しました。


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