Ars cum natura ad salutem conspirat

後頭部から始まる連想


始まったばかりの展覧会「宮本三郎のデッサン教室」。

なかでも、宮本三郎の後頭部の自画像が、

私のお気に入りの一枚です。


筆で描かれた後頭部は、

髪の毛がクルクルっとしていて、なんだかキュート。

この作品を見た途端、ときめき、大いに盛り上がりました。

油彩画の重厚なイメージとは違って

少ない線で描かれているデッサンは、とても軽やか。

漫画のようなフキダシを、頭のなかで勝手に付けて、

色々な言葉をあてはめては、

これまた勝手に宮本三郎との対話を楽しんでみる。

ついつい長居してしまう作品です。


ちなみに、腰に手をあてている自画像の前では、

スウェーデン式体操をしている宮本三郎の姿を想像しています。

宮本三郎は毎朝一時間、この体操をしていたらしいのです。

はつらつとした表情に、おもわず挨拶してしまいそうです。


豊麗な油彩画も素晴らしいのですが、

デッサン作品は、また違う面白さがあります。

まずはぜひ、ご覧になってください。

もちろん自画像だけではありませんので。



■「宮本三郎のデッサン教室」宮本三郎記念美術館

http://www.miyamotosaburo-annex.jp/


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