Ars cum natura ad salutem conspirat

宮本三郎クロニクル


朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。

暑くて暑くて…とブログにうらみごとを書いていたのが遠い昔のようです。


暑さも苦手ですが、寒さも苦手な私。

冷え対策、風邪対策、乾燥対策…。

寄る年波には勝てないミドルサーティーです。

しかし、寒い寒いと外に出ないのももったいない。

晩秋の空はどこまでも青く、空気も澄んでいます。

先日お休みの日に近所の公園に散歩にいきましたら、

ずいぶんと紅葉が深まっていました。

カエデやイチョウの橙や黄色に混じってひときわ目を引くモミジの色。

たった1本なのですが、迷いなく紅く、見事でした。


そういえばこれとよく似た情熱的な色彩を見たことがあります。

宮本三郎の《假眠》。

絶筆となったこの作品は、

時に深く、時に鮮やかに、幾重にも重ねられた赤がとても印象的な作品です。

中心に横たわる裸婦の、透き通るように白い肌とその奥に湛えた生命力を、

慎重に配された赤が効果的に表現しています。

その色彩の豊かさは、肉眼で見てこその醍醐味ではないかと思います。


現在開催中の「宮本三郎クロニクル 1922⇒1974」展では、

10代の作品から絶筆《假眠》に至るまでの画業を年代順(クロニクル)にご紹介しています。

宮本三郎という人がどのような画家であったか、

この展覧会をみるととてもよくわかると思います。


紅葉も刹那の楽しみですが、展覧会も一期一会です。

皆様のお越しをお待ち申し上げております。


「宮本三郎クロニクル 1922⇒1974」開催中~12月2日(日)

10時から18時までご覧いただけます(入館は17:30まで)


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