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アーカイブ:2012年01月
世田谷美術館の休館中の活動として、昨年の春から小樽、市川、笠岡を巡回した「アンリ・ルソーと素朴な画家たち いきること えがくこと」展。素朴をテーマに52点の収蔵品で構成した企画展ですが、最終会場となる愛知県春日井市の文化フォーラムかすがいで1月21日オープンしました。各会場では展示のみならず、世田谷のボランティアさんたちがギャラリー・トークや100円ワークショップを行うなど活発な交流も行われています。
各会場担当者の力の入ったオリジナル活動も魅力的ですが、春日井では近隣のホテルとのコラボレーション、素朴派ランチが実現。オープンを前にこのランチをスタッフのみなさんと、ホテルプラザ勝川(かちがわ)のカフェレストラン・ソレイユにて試食してきました。前菜・スープ・メイン・デザートというコースですが、これがセラフィーヌの《枝》、ルソーの《フリュマンス・ビッシュの肖像》、ボーシャン《花》より生み出された創作ランチなのです。
東京にも初雪がふりましたね!
雪のふる日はとても静か。
日常にあふれるさまざまな音を空が全部吸収して、白く姿をかえて降りてくる、そんなふうに感じます。
その白い粒をアスファルトが溶かしきれなくなったころ、街はいよいよ観念したというように、徐々に、しかし確実に白く染まっていきます。
世田谷美術館分館・清川泰次記念ギャラリーでは、年3回の会期ごとにテーマを設けて、収蔵品の入れ替えを行い展覧会を開催してまいりました。
2003年秋の開館以来、清川泰次(1919-2000)の絵画作品で構成した展覧会と、2006年度以降しばらくの間は、清川氏が学生時代から撮りためていた、時代の記録として高い評価を得ている写真作品で構成した展覧会を開催いたしました。
前回のトルーマン・カポーティの「無頭の鷹」に続いて、今回はJ・D・サリンジャー(1919–2010)の短編「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」(De Daumier-Smith’s Blue Period)をご紹介します。
この短編小説は、作者の自選短編集『ナイン・ストーリーズ』に収められています。美術大学の学生時代にクラスの友人から薦められて手にした一冊でした。30年ぶりに今こうして新潮文庫(訳:野崎孝)を手にすると、水玉を配したシンプルな装幀に懐かしさを感じてしまいます。デザインは麹谷宏さんで、麹谷さんは後に無印良品を立ち上げるメンバーのお一人です。この頃の新潮文庫の海外文学はどれも装幀が素晴らしく、持っているだけで嬉しかったものでした。