Ars cum natura ad salutem conspirat

そして美術館をめぐる旅はつづく


気持ちのよい季節になりました。

木々が豊かに実り芳醇な香りを漂わせています。

ふとどこかへ出かけたくなる、そんな季節です。

ある良く晴れた休日、秋色の服を着てわたしも街にでました。

向かった先はもちろん美術館……ではなく映画館でした。


…すみません。


ですが今は芸術の秋。

さらには、スポーツの、食欲の秋。

秋という季節はさまざまな好奇心に寛大です。


映画館というところは不思議で、

行かなくなると足が遠のき、行きはじめると次また次と通うようになる。

みなさんそんなふうに感じたことはありませんか?

その理由は予告編にあると思うのです。

映画を見に行くと本編の前に必ず予告編があります。

これから公開する映画のプロローグが短く編集されたかたちで流れますね。

あれをみるとどの映画も魅力的にみえて、また映画館に足を運ぼうという気になるように思うのです。


そんなことを考えていた折、美術館にも展覧会の予告編を見られる場所があることに気づきました。

みなさんどこだかお分かりになりますか?

展示室の入口あるいは出口付近にあるチラシラック、

それこそまさに、つぎにみなさんが訪れるべき美術館の予告編なのです。


映画の予告編はたった数分の中に、その映画の魅力がぎゅっとつまっています。

本編への興味がわくように、限られた情報量で印象に残るものを作る。美術館の展覧会案内も同じような思いで作られています。


宮本三郎記念美術館にももちろんチラシラックがあり、さまざまな美術館の展覧会案内がおかれています。みなさんがどこかで宮本館のチラシを手にし、訪れ、そして宮本館で手にしたチラシを持ってまたどこかの美術館へ足を運ぶ。

この秋、そんな知的冒険の旅はいかがでしょうか。


ちなみに、現在宮本館で開催中の「荒木経惟-人・街-」展は印象的な赤が目を引く展覧会案内です。

チラシもさることながら、展覧会も充実の内容となっておりますので旅のはじまりにはぜひ当館へ。

すてきな旅をお約束します。


Copyright Setagaya Art Museum. All Rights Reserved.