Ars cum natura ad salutem conspirat

なおも残る、桜の樹


先日の大型台風により

被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。


台風が東京を抜けた翌朝、宮本三郎記念美術館に出勤してみると

前日の出勤者からの引継ぎメモがありました。

桜の枝が折れてしまった…と。

急ぎ、桜の樹がある館の裏庭に行ってみると

直径20センチ以上はあろうかという立派な太枝が

幹からバサリと折れていました。

幸い、前日からその場に立ち入る人はおらず、

また近隣の方々への影響もなく、

事故にはなりませんでした。

館施設、建物への影響もありませんでした。


しかし、このままにはできません。安全が第一。

今後、もしもの事故を起こさない為の最善策として

残った幹も、上から三分の一ほどを切り落としました。


宮本三郎が住まっていた、奥沢のこの場所に

2004年に美術館として開館するにあたり

住居は取り壊してしまいましたが

唯一の面影として残された、桜の樹です。

今回、その伸びやかな自由は、一部奪われてしまいましたが

まるで新たな決意を抱いたかのように

実にさっぱりとした姿で、今日も秋の高い空に向かっています。


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