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世田谷美術館の分館、宮本三郎記念美術館では7月31日から「宮本三郎 1940-1945」と題した展覧会が始まりました。
このタイトルが示すように、この展覧会は宮本三郎の1940年から45年にかけての画家としての足跡を探るものです。この当時の社会状況は世界が戦火とともに歩んでいた時代でした。それは、日本人のみならず、世界の人々にとってもきわめて過酷な時代であったといえます。
宮本三郎という一人の画家が、この1940年からの6年間に残した足跡を探ろうとするこの展覧会は、「ヨーロッパでの日々/1938年10月-1939年12月」、「戦時下での日々/1940年9月-1944年8月」、「疎開生活、そして戦禍のあとに/1944年8月-」という3つのコーナーで構成されています。
宮本は1938年からの初めての滞欧生活で、喜びと驚きに満ちた日々を過ごし、幸福な時間を若き画家としてかみしめました。そして戦時下においては、戦地を巡り歩き、作戦記録画の制作に追われる日々を過ごしました。そして終戦を前に故郷である石川県小松市に疎開した彼は、幼い頃から慣れ親しんだ日本海を望む海浜にイーゼルを立て、茫洋とした風景をカンヴァスにとどめています。
一人の画家が、激しい時代の潮流をつぶさに見聞し、そして荒廃した社会の中で、深く悩みながら描くべきものを求め葛藤したその心の痕跡を、さまざまな資料をもってご紹介しています。
先の大戦が終わり65年目の夏を迎えています。強い陽射しを避けながら、宮本三郎記念美術館にお運びいただきたいと思います。