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アーカイブ:2010年08月
みなさま暑い日がまだまだ続いておりますがお元気でしょうか。
当館では定期的におこなっているコンサートがあります。9月で216回目を迎えることになるこのコンサートは若手アーティスト育成の場として、開館当初から無料でお客様に提供いたしております。
最近は美術館でコンサートをおこなうところも多くありますが、絵や彫刻を展示する美術館で、コンサートをおこなうことに違和感を持たれるかたもいらっしゃるかもしれません。
ここで少し美術と音楽の親しい関係についてお話をさせていただこうと思います。
古代ギリシアにはムーセイオンとよばれる神殿がありました。
これは9人の女神であるミューズに捧げられた神殿でした。全能の神ゼウスと記憶の神ムネモシュネーから生まれた9人の学芸の女神はそれぞれカリオペ(叙事詩)、クレイオ(歴史)、エウテルペ(叙情詩)、タリア(喜劇)、メルポメネ(悲劇)、テルプシコホレ(舞踏)、エラト(恋愛詩)、ポリュムニア(聖歌)、ラウニア(天文学)です。記憶の女神を母に持ち、人間の体の記憶に直接関わる営みこそが、当時は「芸術」として尊ばれていたそうです。
毎日毎日、最高記録更新!
うだる暑さに辟易しながら秋の到来を待ちわびる今日この頃です。しかし、よくよく耳を澄ませば日暮らしの鳴き声、目を凝らせば夕焼けにトンボの飛ぶ姿、ふとした瞬間の夜風にかすかな秋の気配を感じたりもします。
この時期、宮本三郎記念美術館の周辺ではそんな秋を呼ぶお祭りが各所で開催されます。
「セラフィーヌの庭」という映画が岩波ホールで公開されています。
セラフィーヌ・ルイという実在した女性画家の話を映画化したものです。家政婦の仕事などで生計を立てながら、絵を描いていたセラフィーヌ・ルイを、アンリ・ルソーの芸術的価値を見出したことで知られる、画商・評論家であるヴィルヘルム・ウーデが、彼女の才能を見出します。詳しい内容は是非映画で・・・
向井潤吉アトリエ館では、7月31日から第2期収蔵品展「向井潤吉とルーブル美術館」を開催しています。
この展覧会では、若いころの向井潤吉が、パリで画家としての勉強を重ねる中で心血を傾けて制作した、ルーブル美術館の摸写作品を中心に展示しています。向井潤吉の青年時代の修練の成果が、「民家」を題材にした作品にいかに反映したのかを探る展覧会です。おなじみの「民家」の代表作と共にお楽しみ下さい。
また、特別展示としてルーベンスの「エレーヌ・フルーマンとその二児」を摸写した50号の大作も出品しています。
世田谷美術館の分館、宮本三郎記念美術館では7月31日から「宮本三郎 1940-1945」と題した展覧会が始まりました。
このタイトルが示すように、この展覧会は宮本三郎の1940年から45年にかけての画家としての足跡を探るものです。この当時の社会状況は世界が戦火とともに歩んでいた時代でした。それは、日本人のみならず、世界の人々にとってもきわめて過酷な時代であったといえます。
さて皆様は、ミュージアムショップのオリジナルグッズをご存知でしょうか。
北大路魯山人の器をモチーフにした手拭い、稲垣知雄が描いた猫の秒針がある腕時計や
アンリ・ルソーの絵のチケットファイルなど、いくつかあります。
特に人気があるのは、アンリ・ルソーが描いた「フリュマンス・ビッシュの肖像」を模ったキャンディーです。
頬のピンク色や鼻の形の細かいところまで金太郎飴で表現されていて、食べるのがもったいない気がしてきますが、髭の生えた巡査の顔がキャンディーになっているので「とても面白い!」とお土産に購入される方が多いんですよ。
中には、実物がご覧いただけず「本物と比べてみたかったわ」と、おっしゃる方もいらっしゃいますが、9月5日まで2階ミュージアムコレクションにて、展示がございますので、本物と比べてみることも可能です。
この機会に世田谷美術館へ是非お越しください。