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「内井昭蔵の思想と建築」展も終盤を迎えています。
12月から始まった今回の展覧会は、内井昭蔵が世田谷美術館の設計基盤とした3つのコンセプトをベースに構成しました。
○周辺環境を考慮した公園美術館にすること。
○美術館という空間を日常化すること。
○美術以外の多彩なジャンルの表現を受けいれることを可能とするオープンな空間を構築すること。
こうした内井昭蔵の想いを大切にとらえ、今回の展示では、通常は遮光のために閉ざしている窓をすべて開放し、砧公園の美しい景観を窓から眺められるようにしてあります。そして、建築の各所の窓からは、横方向に広がる独特な世田谷美術館が織りなす様々な「かたち」を見渡すことができます。
今回の展覧会で最高の展示品は内井昭蔵の設計コンセプトから生み出された、この窓からの景観なのだと思います。
展覧会会場は内井昭蔵の建築家としての足跡をたどる内容ですが、同時に《世田谷美術館》という彼の代表作をとくとご覧いただく好機と思っています。彼が設計した《世田谷美術館》という器で、内井昭蔵の思想と建築を吟味する、そうした楽しみかたをしていただければ、と願っております。