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昨年向井潤吉アトリエ館は、耐震化工事のため現在休館しておりますが、世田谷美術館2階アートライブラリーの前の小さなスペース(無料)で、ご覧いただくことができます。
今年度は、世田谷美術館所蔵の民家を描いた代表作を7月26日まで、ルーヴルでの摸写作品(アングル、ミレー、コロー、ルイー二)などを11月29日まで、展示紹介して参りました。
12月5日からは、昨年度の新収蔵品の中から向井の風景作品を6点ほど初公開いたします。
向井潤吉が民家を描き始めたのは、終戦後まもない昭和20年でした。娘を疎開先の新潟まで迎えに行ったのをきっかけに制作を始めたそうです。民家がシリーズとなったのは昭和30年代に入ってからですが、空襲中に「緑草会発行の民家図録を見ていて、日本の民家の美しさ、こういう風土でしかできない形の美にはじめて気がついた」「せめてなくなる前に、昔からの民家のよさを絵に残しておけば何か役に立つのではないかと考えた」と、向井は「失われていく民家を描いて」(昭和49年)に記しています。
小ぶりな作品たちではありますが、国内外各地を歩いてみつめた風景=画家のまなざしをお楽しみください。
■「冬ざれ」愛知県豊川市御油町、昭和25年頃、カンヴァス・油彩、38×45.5cm
■「洛北待春」京都府、昭和46年、カンヴァス・油彩、45.5×56cm
■「作品名不詳(民家)」、制作年不詳、カンヴァス・油彩、50.8×61.2cm
■「作品名不詳(民家)」、制作年不詳、カンヴァス・油彩、45.5×53cm
■「作品名不詳(民家)」、制作年不詳、カンヴァス・油彩、38×45.5cm
■「作品名不詳(民家)」、制作年不詳、カンヴァス・油彩、32×41cm
ご来館をお待ちしております。