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現在2階の展示室で開催中の収蔵品展「和のいろ・かたち-日本画と工芸作品を中心に」では、世田谷ゆかりの工芸家、友禅の人間国宝・山田貢の着物などが展示されています。
先日、区内の小学校4年生が鑑賞教室で、この展覧会を鑑賞しました。
この学校では、美術館に来館する前に、山田貢の着物がどのようにして作られたのかを知る授業を美術館スタッフが出張して行いました。
それは1時間ほどの短い授業でしたが、こどもたちは、山田貢の制作の様子を撮った写真を見ながら、いかに様々な工程を経て1枚の着物が出来上がっていくのかを学んだあと、山田貢の友禅の特徴のひとつである、糸目友禅(いとめゆうぜん)の糊置(のりおき)を体験をしました。
糊筒(のりづつ)という道具を使って、糸のように細い糊を布に置くのが糸目友禅です。
糊を布に置くことで、染料などで染める時、そこだけが染まらない状態になります。
今回、山田貢の次女で染色家の萩原いづみさんが、糯米(もちごめ)の粉を使った糊(糯糊)をこどもたちが使う分、あらかじめご用意くださいました。
こどもたちは、初めて体験する糊置に、手こずりながらも夢中で挑戦していました。
そして、世田谷美術館に来館して本物の山田貢作品を見たこどもたちの反応は・・・。
「ぼくたち、一本の線をひくだけでも大変だったのに。こんな模様を引けるなんてすごい!!」と驚嘆したり、じっと作品を見続けたりなど様々でした。
自分たちが、糊置きの体験をしているだけに、山田貢の着物に描かれている線、一本、一本に対して、実感を持って鑑賞できたのではないでしょうか。