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アーカイブ:2009年10月
「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォーについて」
ゲスト:鶴園紫磯子先生(桐朋学園大学講師、ピアニスト)
ナビゲータ:渡辺槙子(当館学芸員)
特別展「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」で、ピアノ演奏を交えた特別講演会をしていただきました鶴園紫磯子先生にお話を伺いました。
挿入曲:随行(ピアノ:鶴園紫磯子、歌:太田朋子)
バックサウンド:エリック・サティ サラバンド3番、グノシエンヌ2番、メディテーション(ピアノ:鶴園紫磯子)
「パリのアール・ヌーヴォー ベル・エポックの華麗な響き」より
PLAY(赤い三角印)をクリックして再生してください。
みなさま、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
今日は美術大学のお話をさせていただこうと思います。
美術大学は成人の方を対象とした、世田谷美術館の講座です。毎年、夏休みを除く5月から12月までの火・木曜日の週2日、10時から16時半まで絵画・エッチング・木彫・映像などの実技講座や講義などを行なっています。
スタッフの私は、受講者や講師の方々が熱心に授業空間をつくりあげていく姿に感動する日々を送っています。みなさんとても人生経験豊かな方々で、お話をさせていただけることが、私にとってとても光栄で嬉しいことですし、また非常に人生の勉強になります。
長いと思っていた在学の期間も残すところあと2ヶ月。
長い間、一緒に過ごさせていただいた時間を思うと受講者の方々には「お疲れ様です!」講師の方々には「ありがとうございます!」という気持ちでいっぱいです。でも、もういつものように会えなくなる、と思うと寂しい気持ちもします。
この素晴らしいご縁を大事にしたいです。
昨年、世田谷区では若手の芸術家の育成を目指し、世田谷区芸術アワード“飛翔”を創設しました。そして、この10月27日より、第1回美術部門受賞者である、熊澤未来子さん、高田安規子・政子さん2組の受賞記念の作品展を区民ギャラリーで開催いたします。
熊澤さんは、昨年、武蔵野美術大学の大学院を修了したばかりです。パネルに白い地を塗り、そこに現代社会の光景を少し歪めて、非常に精緻に鉛筆で描き込みます。
高田さんは、双子の姉妹です。日本の美大を卒業した後、ロンドンで美術学校に通い、作品を発表してきました。昨年帰国し、日本での個展は今回が初めてになります。
若い世代が現代の社会をどのように表現しようとしているか、ぜひ、ご覧ください。さらに今後も、世田谷の大切な芸術家として、応援をしていただけましたら幸いです。
詳細はこちらをご覧ください。
展覧会にいらっしゃった皆様は、貴婦人の部屋でお気づきになられたでしょうか。
ほのかに漂うパウダリーな香りを。
「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」では、今回、フランスのゲラン社より上品で華麗な香りを展示室内でお届しております。
ゲランの3代目調香師ジャック・ゲランが手がけた「蒼の時」を意味する「ルール ブルー」は、ベル・エポックを代表する香りといえるでしょう。当時の多くの婦人の部屋に飾られたであろう可憐な花々、その中でお化粧をする美しい女性たち。そんな雰囲気を醸し出す手掛かりとして展示室内に甘く、繊細な香りを漂わせてみました。
時間や空間、湿度、温度によって同じ香水でも違った香りに変化するというのは、一般的ですが、実際にアロマディフューザー(香りを拡散するツール)が置かれている展示室から遠ざかるにつれて徐々に変化していくのが感じられます。
香りを嗅ぐと急に昔の記憶を鮮明に思い出したことはありませんか。それを“プルースト効果”というそうです。脳内で記憶や情動、感情をつかさどる部位と嗅覚をつかさどる部位が非常に近いため、香りが記憶を刺激しやすいそうです。
アール・ヌーヴォーの家具、工芸品、装飾品を鑑賞した記憶が、香りと共に皆様の記憶に残ればと思います。
近頃、果物売り場に早生みかんが並ぶようになりました。
近年、季節感が薄れてきたように感じますが、
秋の深まりを気付かせてくれます。
清川泰次記念ギャラリーの庭にも、みかんの木が1本あります。
昨年も沢山実をつけましたが、今年もたわわに実っています。
3年ほど前まではまったく実をつけなかったのですが、2年ほど前から
沢山実るようになり、当館の秋冬の風物詩になっています。
色づくまでにはもう少しかかりそうですが、今年も橙色の実が
庭に彩りを添えてくれそうです。
清川泰次の出身地である、静岡県は、全国有数のみかん産地。
清川泰次の作品と、みかんの色づきを鑑賞に当館へぜひお越し下さい。
芸術の秋がやってきました。
世田谷美術館では、「オルセー美術館展~パリのアール・ヌーヴォー~」と「収蔵品展 和のいろ・かたち」が開催され、ご好評を頂いております。
19世紀パリの邸宅を再現したような1階展示室を抜けると、その余韻をのこすアンティークな雰囲気の特設ショップがあり、さらに2階へと階段を進めば一転、和の世界が広がっています。
世田谷美術館ミュージアムショップでは、洋と和、両方をお楽しみいただけるよう、さまざまな商品をそろえて皆様のお越しをお待ちしています。
19世紀パリの雰囲気に浸りたいという方は、マキシム・ド・パリのクッキーとオルセー美術館展オリジナルブレンドのコーヒーで、優雅なひとときをお楽しみになってはいかがでしょうか?
お洒落な箱に入った7種類のクッキーと、濃い目に入れたコーヒーで一息つけば、気分はパリのカフェ。
装丁も非常に美しいオルセー美術館展図録を片手にティータイムというのもなかなか素敵です。
また、アール・ヌーヴォーの名品たちがデザインされた愛らしいオリジナルグッズたちも見逃せません。
やはり和が落ち着くという方には、繊細な色合いの吉田善彦絵はがきや魯山人の一筆箋などもご用意しています。
秋の夜長に文をしたためる…というのもオツかもしれません。
これから深まる秋のお供を探しに、是非ミュージアムショップにもお立ち寄りください。
現在2階の展示室で開催中の収蔵品展「和のいろ・かたち-日本画と工芸作品を中心に」では、世田谷ゆかりの工芸家、友禅の人間国宝・山田貢の着物などが展示されています。
先日、区内の小学校4年生が鑑賞教室で、この展覧会を鑑賞しました。
この学校では、美術館に来館する前に、山田貢の着物がどのようにして作られたのかを知る授業を美術館スタッフが出張して行いました。
それは1時間ほどの短い授業でしたが、こどもたちは、山田貢の制作の様子を撮った写真を見ながら、いかに様々な工程を経て1枚の着物が出来上がっていくのかを学んだあと、山田貢の友禅の特徴のひとつである、糸目友禅(いとめゆうぜん)の糊置(のりおき)を体験をしました。