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迫力のレクチャー!加藤薫先生の「メキシコ絵画の魅力」


先週スタートした「メキシコ20世紀絵画展」、おかげさまで熱心なお客様にたくさんお越しいただいております。


7 月11日は展覧会アドバイザーの加藤薫先生(美術評論家、神奈川大学教授)のレクチャー「メキシコ絵画の魅力」がありました。あれよあれよという間に客席は満席。氷河期、人類がシベリアから北米大陸 経由でメキシコにたどり着く頃から説き起こす先生のお話は壮大そのもので、複雑で豊かな歴史を背景とするゆえにメキシコの20世紀美術が放つ魅力について学べる、濃密なレクチャーでした。

レクチャー後の質疑応答で、印象深い場面がありました。「ラテンアメリカのなかでも特にメキシコの美術が優れているのはなぜ?」という質問が出ました。確かに、日本で紹介されるラテンアメリカの優れた美術と いえば、メキシコがメインです。


この問いに対し、加藤先生は一呼吸おいてから、力強く答えました。「日本にいると、どうしても情報に偏りがあるのです。メキシコの美術は確かに素晴らしいが、ラテンアメリカの他の国や地域にもたくさん優れた美術がある。ただ、情報としては日本にはそれが届かない。だからぜひ、自分の足で、自分が関心をもった場所へ行って、自分の目で確かめてください」。


カリブ海から中南米全域を何十回となく訪れ、現地のアートの歴史と現在にふれてきた加藤先生の言葉には、迫力があります。実際、日本でほとんど関心を持たれていなかったキューバの美術についても、加藤先生は精力的に紹介していらっしゃいます。


何でもインターネットで調べがつき、何かを知った気になってしまう昨今ですが、文化や芸術はその現場に居合わせてこそ理解が深まるもの。いきなりメキシコに行くのは無理でも、まずは当館にお越しいただき、作品の前に立ってみていただければ幸いです。


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