Ars cum natura ad salutem conspirat

子どもたちへ受け継がれるJAPAN=漆


3月20日、平泉展の関連企画「親子で知る!中尊寺金色堂のうるしの技」が行われました。

講師の漆芸家・小柳種国先生のレクチャ―は、金色堂の意匠に見られる平安時代の人々の美意識についてなど、専門化にとっても興味深い内容のお話が盛りだくさんでした。

小柳先生の漆に対する熱い思いは子ども達にも伝わったようで、皆先生の話を真剣に聴き入っていました。その後子ども達は、先生が修復した漆工芸品の数々をボランティアといっしょに展覧会場で目にし、平安時代の漆芸の魅力に直に触れました。鑑賞後は、小柳先生が参加者の子ども一人ひとりに、事前に準備くださった螺鈿蒔絵(らでんまきえ)のストラップの最後の工程、磨き仕上げを体験させると、皆夢中になって磨いていました。なかには、先生の見本よりもぴかぴかに磨き上げた子どももいました。今回のストラップには、中尊寺の金色堂で使われている螺鈿の材料と同じ夜光貝と本物の金粉による蒔絵が施されていて、子どもたちにとっては、いい記念になったのではないでしょうか

本格的な漆のお話と本物の平安時代の漆工芸品の鑑賞、そして日本産の漆の磨き体験と、何から何まで本物づくしのイベントでした。参加した子どもたちの心にJAPAN=漆文化が受け継がれることを祈ります。


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