Ars cum natura ad salutem conspirat

「絵」になった文庫本。


 自由が丘にある世田谷美術館分館・宮本三郎記念美術館では、宮本三郎が生前に収集していた書籍を展示している展覧会「画家の書棚にみる昭和のアート・ブック史 宮本三郎文庫より」を開催中です(3月22日まで)。そして今週からは、様々な書店や本にまつわる方々をお招きし、特別展示・販売を開催します。一番手は「本のある生活をふやすために、人と本が出会う素敵な偶然を演出するために、 さまざまな場所で今までなかった本のあり方を模索」する人々、ブックピックオーケストラの皆さんです。

 彼らは今までにも文庫本に注目した様々な商品を作り出していますが、今回新たに作り出してくれたのは「文庫本画廊」というもの。これは表紙絵だけが見えるように窓がついたブックカバーをかぶせた文庫本で、そこには装丁家や表紙絵を描いた画家、¬印刷所、制作年などまさに絵画のキャプションを思わせるような情報だけが記されています。

 これらは絵さながらに壁面に展示され、一点ずつゆっくり鑑賞して頂くことは勿論、実際に購入して頂けます。貴重な初版本や現在とは異なる当時の表紙絵などが中に入っているため、その書籍が何かを当てることはなかなか容易ではありませんが、文庫本から成る小さな「絵」を通じて、書籍の豊かさや新たな魅力を知って頂ければ幸いです。「文庫本画廊」の特別展示は2月22日(日)まで開催、21日(土)にはお気に入りの一冊を「文庫本画廊」に仕立てるワークショップも行います。


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