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現在、自由が丘にほど近い世田谷美術館の分館・宮本三郎記念美術館では、宮本三郎の蔵書と絵画で構成された展覧会を開催しています。宮本は、獅子文六や林芙美子らの書籍の装丁をはじめ、戦争関連の書籍や子供のための絵本、その他当時の流行作家の装丁(藤田嗣治、東郷青児、小磯良平らによる装丁なども!)を手掛けておりました。本展はそれらを当館が収集した彼らの蔵書―「宮本三郎文庫」から選び出し、展示しているものです(3月22日まで開催/新年は1月3日まで休館)。
これらの約一万冊にも及ぶ書籍や様々な書類は現在もなお整理・調査中であり、その全貌が明らかになるにはまだ数年かかると思われます。そんな書籍が溢れ返る書庫で雑誌やら当時の書簡などを私が整理していたところ、実に興味深いものが発見されました―宮本三郎宛の年賀状です。とりわけ来年と同じ丑年の1961年の年賀状には、剣持勇、山田五十鈴、鴨居玲、田村孝之介、建畠覚造などの様々な方々からのものも含まれていました。簡素なものあり、一枚ずつ手描きのものあり、洗練されたデザインもあり、どれを取っても非常に豊かな、温かみの溢れる年賀状となっています。
ということ年明けの短い期間となってしまいますが、同館で現在これらの年賀状の特別展示を致します。当時の宮本の幅広い交友を知るにも良いでしょうし、当時の著名人から年賀状を貰った気分に浸るのにも良いかも知れません。年明け18日まで開催しております。