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皆さんは作品一点鑑賞するのにどのくらいの時間を費やしますか?
作品にもよるとは思いますが、数分かけて、あるいは1時間以上かけて鑑賞するということはあまりないのではないでしょうか。
さて、当館の2階の展示室に現在展示中のニコル・ダイワイル作≪無題≫(年代不詳)をじっくり見てみようという内容の授業を、世田谷区立用賀小学校で行いました。用賀小学校は、来週当館に来て二コル・ダイワイル氏の作品をはじめ、その他様々な作家の作品を鑑賞することになっています。
図工室の黒板で3秒間だけ、子どもたちにがこの絵の映像を見せました。
「どんな絵だった?」
「人が何人かいた」「泳いでる人がいたみたい」
「どんな表情だった?」
「・・・・」
やはり3秒ではおおざっぱなことしかわかりません。
そこで、今度はグループごとに1枚、この作品が印刷されたものを配ってじっくり見てもらい、いろいろ気づいたことを付箋に書いて貼ってもらうことにしました。
すると子どもたちは次から次へといろいろなことに気づきはじめ、いつの間にか絵は付箋でいっぱいに。
「何でこの人さかさま?」
「何でこの人の目が青いの?」・・・
たくさんの謎が見えてきました。
じっくり一点の作品を楽しむという体験をした子どもたちは、きっと美術館へ来館した時にもいろいろな作品に対して、たくさんの謎を発見してくれるでしょう。