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7月13日、よく晴れた日曜日。世田谷美術館には、たくさんの荷物を抱えた元気なこどもたちが集まりました。携えてきたものは、ペットボトルや牛乳パック、ストローなど、家庭でいらなくなったものです。それと、身近に生えてる苔!これらを組み合わせて、雨を楽しむ装置をつくるワークショップが開催されました。教えてくださった先生は、石山修武さんと石山研究室の学生のみなさんです。
さて、どんな様子だったのかご報告いたします。まず、集まったこどもたちを前に、石山さんが、「目の前にある紙をグシャっと丸めて、それを見て感じたことを書き出しなさい」という課題を出しました。こどもたちは、突然のことに戸惑いつつも、それぞれ思い浮かんだことを、絵やことばを紙につらねました。
このイントロダクションは、バウハウスでモホリ・ナジ(ハンガリーの美術家)が指導したカリキュラムにあるそうです。学校の授業にはないちょっと緊迫した空気のなか、こどもたちは必死に挑戦していました。シンプルな課題ですが、実に本質的な観察力や発想力が働かされます。
そして、本題へ。天から降り注ぐ雨を集める「天水受け」と、その水を受ける「苔の庭」のイメージスケッチを描き、実作に入りました。創作意欲に燃えたこどもたちは、研究室の学生さんに手伝ってもらいながら夢中になって制作に打ち込みました。節々で石山さんから細やかなアドバイスを受け、他人の真似ではない自分だけの創造物に仕上がりました。
最後に、講評会が行われ、石山さんからひとつずつの作品にコメントをいただき、がんばったこどもたちの健闘をたたえました。はじめて出会う建築家とのワークショップは、こどもたちにとって、それぞれの創造力を多分に刺激される特別な時間となったのではないでしょうか。