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先日のニュースで知った方も多いと思いますが、世田谷区在住の写真家・写真評論家の桑原甲子雄さんが昨年末にお亡くなりになりました。桑原さんの作品は3年前の展覧会でも出させて頂いたので、それを思い出すと残念でなりませんが、94歳で天寿を全うされたことに対して、素直に「ご苦労様でした」という思いを抱きます。
実は桑原さんは写真雑誌の編集長時代に、数多くの才能ある若者を起用して、写真界の繁栄を陰から支えていました。リアリズム写真もアラーキーの活躍も、桑原さんなくしてはありえなかったと言ってもいいでしょう。自らは前に出ることなく、しかし重要な役割を果たしていた桑原さんは、バイプレイヤーとしても一流だったわけです。
私は今丁度、世田谷在住の若手写真家を紹介する展覧会(写世術/photo projects vol.1 萱原里砂)を準備しているので、そういう桑原さんのご努力に敬意を抱きつつ、若い人にチャンスを与えることの大事さ(と大変さ)を日に日に感じています。そして次の時代のトーキョー写真のために、今やれることを一つ一つやっていきたい、という気持ちなのです。