Ars cum natura ad salutem conspirat

美術館に春を呼び込むお雛様


砧公園でも霜柱を見かける寒い日が続きますが、美術館のエントランスには、雅な雛飾りが展示され、一足早い春が訪れました。

このお雛様は、戦後、日比谷公会堂で赤十字の催し物があった際、梨本宮大妃殿下の前で中村歌右衛門が踊った記念に、大妃殿下から頂いた内裏雛です。もともとは、1882(明治15)年2月2日、公爵鍋島直大の次女として生まれた梨本宮伊都子妃殿下が、1900(明治33)年11月28日、梨本宮守正王殿下とご結婚され、大妃殿下が梨本宮家へお輿入れになった時に持参したという由緒ある雛飾りです。

まん丸の愛らしいお顔は、よく見るととても繊細な筆で眉毛一本一本が丁寧に描かれています。

お二人ともふかふかのお座布団に鎮座され、美術館にいらっしゃるお客様をお迎えくださっています。


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