Ars cum natura ad salutem conspirat

オルセー美術館館長ご来館


 秋雨前線の合間、曇天ながらも涼やかな風の吹くある日のこと、パリより来日中であったオルセー美術館の館長、Serge Lemoine氏と、広報部長、Nicole Richy氏のお二人が、お忙しいスケジュールを調整して、世田谷美術館をお訪ねくださいました。昨年の秋に当館で開催した「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」展に関心を持たれたことがご縁となって、今回のご訪問となったようです。

 しばしご一緒にお庭を歩いたのち、現在開催中の企画展「福原信三と美術と資生堂」展、および、「夢からの贈り物」と題した収蔵品展をご覧いただきました。偶然にも、この2つの展覧会は古き良き時代のパリと関連の深いものでしたので、とても興味深げに見入っていらっしゃいました。

 ところで、そのあとちょっと一息ということになり、お茶を飲みながら、あれこれ美術談義に花を咲かせることになったのですが、話題は世田谷美術館のミュージアム・グッズ、「ルソー・キャンディ」に及びました。何でも、オルセー美術館の所蔵品の場合、そのイメージを食品に使うことは許可していないとのこと、なかなか厳しい方針かと思われたのですが、最後にその「ルソーキャンディ」(金太郎飴)を実際にご覧に入れたところ、何故かとても感動されたご様子にて、お土産にいくつか持ち帰りたいとのこと、思わぬ展開となりました。日本の伝統の金太郎飴、さすがか、という一幕となりました。


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