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アーカイブ:2007年09月
2005年8月に亡くなられた日本画家・上野泰郎氏のご遺族から、二度にわたりアトリエに残された作品をご寄贈頂きました。今年度の第3期収蔵品展(12月11日-2008年4月6日)では上野泰郎氏を追悼して、ご寄贈頂いた作品とすでに当館に所蔵されている作品を一堂に並べ、鮮やかな色彩を特徴とする人間讃歌とも呼ぶべき氏の半世紀に及ぶ画業を振り返りたいと思います。
現在、来年度の企画展にむけて作品調査を進めています。企画の趣旨にそう作品で国内の美術館で所蔵されているものを、実際に拝見するという作品調査です。ということは、よその美術館の収蔵庫、つまり展示されていない作品がしまってある倉庫へいれていただくという、貴重な体験をさせていただくということなのですね。収蔵庫とは、たいてい恐ろしく大きな金庫のようなもので、えらく分厚い鉄扉にダイヤル式の錠前がついており、ひどく物々しい感じの部屋です。映画で見るような金塊がしまってある部屋・・・といっては言いすぎかもしれませんが。収蔵庫へ入るということは、一種神聖なる空間への立ち入りに近いものがあり、さまざまなお作法があります。
秋雨前線の合間、曇天ながらも涼やかな風の吹くある日のこと、パリより来日中であったオルセー美術館の館長、Serge Lemoine氏と、広報部長、Nicole Richy氏のお二人が、お忙しいスケジュールを調整して、世田谷美術館をお訪ねくださいました。昨年の秋に当館で開催した「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」展に関心を持たれたことがご縁となって、今回のご訪問となったようです。
しばしご一緒にお庭を歩いたのち、現在開催中の企画展「福原信三と美術と資生堂」展、および、「夢からの贈り物」と題した収蔵品展をご覧いただきました。偶然にも、この2つの展覧会は古き良き時代のパリと関連の深いものでしたので、とても興味深げに見入っていらっしゃいました。
ところで、そのあとちょっと一息ということになり、お茶を飲みながら、あれこれ美術談義に花を咲かせることになったのですが、話題は世田谷美術館のミュージアム・グッズ、「ルソー・キャンディ」に及びました。何でも、オルセー美術館の所蔵品の場合、そのイメージを食品に使うことは許可していないとのこと、なかなか厳しい方針かと思われたのですが、最後にその「ルソーキャンディ」(金太郎飴)を実際にご覧に入れたところ、何故かとても感動されたご様子にて、お土産にいくつか持ち帰りたいとのこと、思わぬ展開となりました。日本の伝統の金太郎飴、さすがか、という一幕となりました。
先日、世田谷区立中央図書館の方が、取材のため当館のアートライブラリーにやってきました。
中央図書館が発行している『ざ・ちゅうおう ぷれす』で、当館のアートライブラリーを紹介していただけるそうです。世田谷区の中で、美術書を中心に揃えている図書室は、他にないと思います。この特殊性を生かし、これからも多くの方々に興味をもって利用して頂けると嬉しいです。
ちなみに『ざ・ちゅうおう ぷれす』(第60号)は、11月上旬の発行だそうです。
世田谷区には、歴史的文化を伝える名所が数多くあります。
分館の宮本三郎記念美術館から程近い奥沢神社も伝統行事を今に残す地域の守り神様として、親しまれています。
奥沢神社といえば「大蛇お練(ねり)」で有名です。毎年秋に藁で大蛇作り、氏子たちが担いで街中を練り歩く行事です。由来は江戸期にまで遡り、村に流行った疫病を鎮めるために始めたのがきっかけだそうです。
この独特な地域の伝統文化を子どもたちにも知ってもらおうと、当分館では4年前から大蛇お練をテーマにしたワークショップを開催してきました。神社で宮司さんのお話を伺ったり、実際に大蛇を作る現場を見学したり、神社のご協力を頂いて、新しい発見のあるプログラムを行ってきました。
さて、今年は絵本作家のスズキコージ氏をゲストに、ダンボールと絵具で大蛇を作りました。スズキさんが大蛇の顔をつくり、20組の親子は胴体を担当。みなさん夢中になって、色とりどりの長い大蛇ができました。出来上がった大蛇は、担いで神社までパレードしてご近所の方にお披露目しました。
この力作は、現在美術館で大蛇お練まで展示しております。今年の奥沢神社の大蛇お練も間もなくです。(今年は、9月8日) 毎年、宮本三郎記念美術館の前も大蛇がお練りますので、どうぞお楽しみください。