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美術館の収蔵庫で作業なんていうと学芸員ぽいですか。
整理してきれいに収めていても、数が多かったり、展覧会ごとに少しずつ移動したりと、チェックは欠かせません。
そんななか、恩地孝四郎に師事し、長谷川潔らと日本版画協会を設立し、世田谷に長く住まわれた稲垣知雄の作品の整理をしています。戦後は猫をモチーフにした作品が多く、収蔵品展で見て覚えている方も多いでしょう。戦前は猫とはずいぶん雰囲気の違う風景や植物の版画が多く、あらためてじっくり見て…、しかし、じっくり見ていると作業が進まないので、てきぱきと確認して、また保存用の箱に収めていくのでした。ほぼ肉体労働です。それでも空調が管理された収蔵庫は快適で、静かで、仕事がはかどり、この作品たちの出番を考えなければと、ひそかに想うのでした。