Ars cum natura ad salutem conspirat

帰ってゆく作品たち


岡本太郎展でお借りした作品を返却する。

国立美術館から画廊、個人のお宅まで、お返しする先はさまざま。

がっちり梱包した作品をお借りした方々の前で開梱し、いっしょにチェックしていただく。


作業室とか応接間とか、展示室ではない場と光のなかで見る作品は違う表情をしている。“モノ”としての脆さを感じさせもする。画面に顔を寄せ、ひび割れや剥離などを確認しながら、改めてその作品が乗り越えてきた長い年月を思う。


「お疲れ様」と思わずつぶやきたくなる、緊張と安堵の入り混じる静かな時間が流れる。


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